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フィリピン:アムネスティ日本からベニグノ・アキノ・フィリピン新大統領への書簡

2010年6月30日
[日本支部声明]
国・地域:フィリピン
トピック:国際人権法
2010年6月23日

ベニグノ・アキノ・フィリピン大統領閣下
フィリピンの人びとは、「ピープル・パワー」を行使した投票で、閣下を大統領に選びました。アムネスティ・インターナショナル日本を代表し、今回の選挙結果について心よりお祝いいたします。

閣下の大統領就任は、フィリピンの人びとにとって有意義な変革に向けた多大な希望をもたらすものです。選挙キャンペーン当初、アムネスティは、大統領に選ばれた際に人権に対する閣下の公約を明らかにするよう要請してまいりました。アムネスティは、新政権が汚職とたたかい、教育を優先し、公衆衛生を保護し、また正義をもたらすことを約束されたことを承知しております。しかし、人権擁護のための具体的な公約を閣下が未だされていないことについて、指摘させていただきたいと思います。

選挙前に100人以上が政治的動機に基づいて殺害されたこと、マギンダナオにおけるジャーナリストの虐殺、過去10年の数百人の活動家の殺害と強制失踪はすべて、政府が人権を尊重せず、保護しなかったということの表れです。アムネスティ・インターナショナル日本はこれまで、他団体とともに、政治的殺害や強制失踪の被害者やその家族に正義をもたらすよう、アロヨ前大統領に訴えてまいりました。

人権は、専制的な政権によって捕らわれた政治囚のためだけにあるのではありません。人権は基本でありすべての人に平等にあるものです。私たちは、具体的な公約を宣言することによって、閣下の政権が人権を優先するよう要請いたします。アムネスティは、貴国のさまざまな地元の団体や人権NGOと協議いたしました。その協議に基づいて、大統領就任100日以内に取るべき実施可能な行動のための 提言リストを以下の通りお送りいたします。

政治的殺害と強制失踪を止めること
1.強制失踪に関する国際条約を批准に向けて、まず直ちに同条約に署名すること。
2.過去10年に起こった、報告されているすべての超法規的処刑および強制失踪事件を見直す大統領委員会を設置すること。その際に、欧州連合司法支援プログラムのような中立的な機関の協力を得、十分な証拠があるケースの迅速な訴追を可能にし、あるいは、効果的な捜査がなかったために行き詰っている事件の捜査を再開すること。

民兵、準軍事組織、私兵による人権侵害を止めること
3.民兵や準軍事組織の利用を含め、対反乱作戦においてフィリピン警察が軍を支援することを命じた大統領令546を廃止すること。
4.すべての私兵を武装解除し解体すること。

施政において 人権保護を浸透させること
5.深刻な人権侵害の容疑者や人権侵害の経歴がある者が、政府の上級官僚、法執行官、裁判官、軍の戦闘司令部などに昇進あるいは任命されることを防止する明確かつ透明性のある仕組みを、大統領令により実施すること。
6.大統領の優先的法案として、フィリピン国内人権委員会憲章を宣言し、上下両院における承認を促進すること。

武力紛争によって避難している人びとを保護し支援すること
7.政府の関連省・機関に、ミンダナオの推計12万5000人におよぶ国内長期避難民の状況を調査するよう指示し、避難民に十分な食糧、水、シェルター、衣服、必要な医療と公衆衛生を提供することを保証すること。

国際的な人権諸条約への責任を果たすこと
8.至急に上院の賛同を得て、拷問等禁止条約の選択議定書を承認すること。
9.社会権規約の選択議定書に直ちに署名し、大統領の任期中に批准手続きを進めること。
10.国際刑事裁判所(ICC)に関するローマ規程の批准書を直ちに上院に送ること。

大統領閣下は「人民の大統領」であり「聞く耳を持った大統領」であることを誓われました。また、フィリピンにおける4度目の変革をもたらす大統領になると誓われました。フィリピンの人びとは閣下に高い期待を持っています。選挙を終え、今がその約束を実現するときです。私たちアムネスティは、大統領就任100日の間になすべき上記の10の提言について、閣下の対応をお待ちしています。

社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
事務局長 寺中 誠

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