武器貿易条約(ATT)の成立に向けて一歩前進

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2010年8月 2日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:
トピック:武器貿易条約
ニューヨーク国連本部で開催中の武器貿易条約(ATT)に関する国連準備委員会において、ATT成立に向けての予備交渉に割り当時間の半分が費やされた。そして7月23日、各国の外交代表がATTの構成要素および原則素案を発表した。

素案には、実施された場合に、深刻な人権侵害を引き起こす加害者および貧困や紛争を悪化させる危険性がある地域への国際的な武器の供給を禁止する原則が含まれている。「コントロール・アームズ」のNGO連合はその進展に一定の評価を示したが、2011年の次回会合までに、さらに条約案を進めるために時間を最大限活用するよう、各国政府に対して要請した。

「ATTの詳細を詰めるためにはまだ多くの仕事がやり残されているが、国際基準の欠如と無責任な武器の移譲が引き起こす人的被害を減らすために条約が必要だということを、大多数の国は明確に理解している」と、APPアルゼンチンのマリア・ピア・デヴォトは述べた。

多くの国が支持したその他の原則案によって、武力紛争、戦争犯罪、組織犯罪およびテロの原因となっている国際的な武器の移転が防止されるだろう

「小型武器から、ヘリコプターや戦車、弾薬、部品にいたるまで、すべての武器を網羅する条約が必要だ。人権侵害の加害者に武器を渡さず、紛争や人的被害を悪化させる可能性がある地域から武器を遠ざけるために、すべての国際的な武器移転を厳格に審査する一般的手続きが必要だ」と、アムネスティ・インターナショナル・セネガルのセイディ・ガッサマ事務局長は述べた。

今回の国連会議では、いくつかの重要な会議からNGOが締め出されたことが争点になった。これは議長による想定外の決定で、今後の会議がより開かれた透明性の高いものになるよう「コントロール・アームズ」は要請した。

「戦争商人や人権侵害の加害者が武器や弾薬の入手が困難になる条約に、世界は一歩近づいた。人びとの生命や生活を守る「万全な」条約の成立を保証するために、2011年3月の次回国連ATT会議までに各国は多くの準備をする必要がある」と、「コントロール・アームズ」キャンペーンの支援団体オックスファムの統括責任者、アンナ・マクドナルドは語った。

アムネスティ発表国際ニュース
2010年7月23日