スロバキア:スロバキア政府、教育現場における差別の撤廃を公約

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2010年8月27日
国・地域:スロバキア
トピック:先住民族/少数民族
新たに発足したスロバキアの連立政権は、正しい方向に向かうための第一歩として、教育現場における人種に基づく分離教育の撤廃を公約した。アムネスティ・インターナショナルはこれを歓迎する。

この公約は、8月10日にスロバキア国民会議で承認された政府計画に組み込まれている。もし本公約が実践に移されれば、人種に基づいて分離され、基準以下の教育環境で学ぶ多くのロマの子どもたちの助けとなるであろう。

アムネスティのスロバキア担当者バルボラ・チェルヌサコワは、「スロバキア政府が人種に基づく分離教育を制度上の欠陥とし、これに取り組む政治的意思を示したのは、今回が初めてである」と述べた。

「スロバキア当局は今こそ、スロバキアにおけるロマの子どもたちに対する数十年におよぶ人種差別と分離を終わらせる、包括的な政策を実行する必要がある」。

スロバキア国内では、何千人ものロマの子どもたちが、軽度の知的障害児のための特別学校・特別学級、あるいは人種に基づいて分離された子どもたちだけの低水準な教育の普通学校・学級にいれられている。

このことが、スロバキアにおけるロマの人びとの社会参加を妨げ、貧困と社会的排斥の悪循環にロマの人びとを縛りつけている。

「政府は、質の高い教育へのアクセスを妨げる原因となっている人種差別の撤廃を実現するため、制度上の欠陥を改善しなければならないだろう。その場合には、現在ロマの子どもたちが受けている偏見についても取り組まなければならないだろうし、教師や教育に関わる専門家たちに対しても、平等に扱うという原則を促進しなければならない」とチェルヌサコワは語った。

「さらに政府は、ロマの子どもたちが普通学校に参加できるよう、人種に基づく分離を撤廃するための経済的援助も行わなければならない」。

人種による分離教育の禁止を実行するための具体的措置には、人種分離の実態を確認し、監視し、改善するための、十分な法的能力と資力を持った公立学校視察団の配備も含まれる。

また、性別と人種によって分けられた、教育についての統計データの体系的な収集が必要であるとも言える。

2007年以来、アムネスティはスロバキアにおけるロマの子どもたちの分離教育に反対してきた。

アムネスティは、スロバキア政府の公約の実現化に対する取り組みを引き続き監視し、ロマの子どもたちが差別のない教育を受ける権利を享受できるよう保証する具体的措置を求めて、今後も活動を続けていく。

アムネスティ発表国際ニュース
2010年8月11日

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