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ミャンマー(ビルマ):自由の侵害によって、選挙への信頼が失われる

2010年11月 5日
国・地域:ミャンマー(ビルマ)
トピック:
表現、平和的集会、結社の自由の権利に対するビルマ政府による攻撃は、ここ20年間で初めて開催される選挙の信頼を失墜させている、とアムネスティは述べた。

11月7日に実施される選挙に臨むにあたり、ビルマ当局はいくかの新たな法律を導入し、新たな指令を出した。その中には、表現の自由および政府に対する批判の制限、選挙ボイコットを目的とした政治集会の禁止、収容されているおよそ2200人もの政治囚たちの釈放を求める国内の要求の弾圧、などが含まれる。

「世界中の注目を浴びる中、今回の選挙はビルマにとって、自国の同意のもと、有意義な人権の改善を見せる良い機会のはずです」とアムネスティの事務総長サリル・シェティは語った。「にもかかわらず、ビルマ政府は投票を前にして、意義のある選挙を実施するために不可欠な権利を侵害し続けています。」

今年の3月以降、ビルマ政府は、制限的かつ抑圧的な選挙法を立法化することで、表現、平和的集会、結社の自由の権利を常日頃から侵害してきた。こうして立法化された法律に対する最近の違反には、以下のようなものがある。

・9月14日、ビルマの選挙委員会は国営のメディアで放映されるキャンペーンのスピーチに対する厳重な制限の通知を発行した。これには、政府への批判や国内問題、とりわけ少数民族問題への言及を事実上禁止する、あいまいな規定が含まれている

・9月18日、ビルマ政府は、アウンサンスーチーと、1990年の選挙で勝利したアウンサンスーチー率いる国民民主連盟(NLD)に対し、選挙ボイコットの呼びかけには刑罰を科す、と警告した

・9月27日、ビルマ当局はモン族の僧侶であるアシン・オカンタに対し、ビルマにおけるすべての政治囚の釈放をよびかける冊子を所持していたことを理由に、15年間の投獄を言い渡した

・9月の最後の2週間、人びとに投票しないよう促す冊子を手渡したとして、ビルマ当局は11人の学生を逮捕した。今現在、少なくとも9人が拘禁されている

「ビルマ政府がいまだに2200人を超える政治囚を拘禁している事実は、今回の選挙において、政府が人権を軽視していることを露呈しています」とサリル・シェティは述べた。「今回の選挙に重要な意味があると書かれた、政府自身が認める『民主化へのロードマップ』は、政治的抑圧の継続を押し進めるのみです。」

2010年9月15日に発表された、ビルマの人権状況に関する国連特別報告者による極めて批判的な報告にもかかわらず、ビルマ政府は、政治囚はいないという立場を維持している。

アウンサンスーチーは、自らが率いる国民民主連盟(NLD)が1990年の選挙で勝利したにもかかわらず、過去21年のうち15年近くを拘禁下で過ごしている。

ビルマ政府は最近、軍による反乱鎮圧行動で民間人が標的にされるなど、選挙を前に同国の少数民族の地域で深刻な人権侵害が起きているという疑いについても否定した。2008年、アムネスティは、そのような攻撃が人道に対する罪に相当すると判断した。アムネスティは国連に対して、ビルマにおける深刻な人権侵害について調査委員会を設置するよう呼びかけている。

「ビルマにおける人権侵害の状況は、同国と地域の安定を脅かすものです。国連、そしてビルマの隣人である東南アジア諸国連合(ASEAN)は、もうたくさんだと言う時期に来ています」と、サリル・シェティは語った。「これらの選挙が見せかけであることは、ビルマの人びとの側につかずに、同国の軍事政権を一貫して支援してきた中国やインドであっても納得せざるをえないでしょう。」

今回の選挙は、政治的抑圧と組織的な暴力を背景に実施されている。政治的抑圧と暴力は、経済・政治改革を求め、2007年8月と9月に僧侶によって率いられた数万という人びとが抗議行動に参加したとき以来続いていた。平和的で全国的な広がりをみせた抗議行動は、当局によって暴力的に抑えつけられ、少なくとも31人(100人以上の可能性もある)の人びとが殺され、多くが負傷する結果となった。また、少なくとも74人が行方不明となり数千人が拘禁された。

「政治囚の存在と深刻な国際的な犯罪を否定することでそれらを消し去ることはできません」とサリル・シェティは述べた。「これらの政治囚を釈放し、そのような犯罪の加害者に責任を取らせることによってのみ、ビルマ政府はいつまでも続く人権の課題に十分に対応することができるのです。選挙を実施することで十分とは言えません。」

選挙結果にかかわらず、アムネスティはASEANおよびビルマに隣接するアジアの国々に対し、ビルマにおける政治囚の釈放と調査委員会の設置の実現を要求する。

アムネスティ発表国際ニュース
2010年11月5日

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