コートジボワール:危機打開の交渉合意後に起こった残虐な襲撃

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2011年1月11日
国・地域:コートジボワール
トピック:
アムネスティ・インターナショナルは1月5日、大統領選挙の当選者として国際的に認知されたアラサン・ワタラの支持者への残虐な襲撃が明らかになったことを受けて、コートジボワールの治安部隊に対し反政府派の人びとへの武力行使を中止するよう求めた。

2010年12月に行われた選挙の結果退任が決まったローラン・バグボ大統領は、選挙後の政治的な行き詰まりを打開するため無条件の交渉に同意した。しかし1月4日、治安部隊がアビジャンにある前与党のコートジボワール民主党(PDCI)の本部を襲撃した、との報告をアムネスティは受けている。

「現在コートジボワールで起こっている政治的危機は、人権の全面的な尊重と法の支配の回復が保証されないかぎり解決されることはないでしょう」とアムネスティ・東アフリカ調査員のサルバトーレ・サゲスは述べた。「治安部隊は、反政府派の人びとに行なった強制的失踪、恣意的拘禁、超法規的処刑に関する説明責任を果たすべきです。」

1月4日午前5時、ローラン・バグボに忠誠を誓う治安部隊数十人は、コートジボワール民主党の本部を襲撃して1人を殺害し、16人を負傷させ、63人を逮捕した。

現場の目撃者がアムネスティに語ったところによると、治安部隊は建物内にいた人びとに実弾を発砲し、数人を殴打した。

「治安部隊が部屋に侵入してきた時、私たちは祈っていました」と女性の目撃者は語った。「彼らは部屋全体を見まわしましたが、何もありませんでした。次いで彼らは、私たちの若い幹部たちに対し部屋を出るように命じ、外に連れ出した後彼らをこん棒で殴打しました。抗議した者もいましたが、治安部隊は部屋に踏み込んできました。私は部屋の隅に隠れていました。彼らは催涙弾を投げ込み、私たちに向かって発砲しました。」

コートジボワール民主党のカリム・シディベはこの発砲により殺害された。カリム・シディベのそばにいた人物(安全のため名前を伏せている)は次のように語った。「治安部隊は至近距離から私たちに発砲しました。彼らは私の足を撃ち、次いでカリムの腹部を撃ちました。銃弾は彼の体を貫通しました。私は彼に駆けよりましたが、彼はすでに死んでいました。」

1月5日の朝、アムネスティに寄せられた信頼できる報告によると、この襲撃で負傷し拘束された人びとはいまだに治療を受けていない。

今回の襲撃は、アラサン・ワタラを支持する活動家たちによる「破壊行為と窃盗」があったという苦情を近隣の住民から受けて対応したものである、とローラン・バグボに忠実な内務省高官は1月4日に放映された同国のテレビ番組で述べた。内務省高官はまた、今回の襲撃で殺害された人物は「伝統的な狩猟家の服装を身につけ、ナイフを所持していた」、彼は殺害される直前に警察官を脅迫していた、と述べた。

1月5日、逮捕された人びとは「強奪」、「暴行殴打」、「私有財産の破壊」を含む5つの容疑により予審判事に引き渡された。

「アムネスティは、拘束されている人びとを無条件に釈放すること、および虐待され負傷している人びとをただちに治療することを求めます」とサルバトーレ・サゲスは述べた。

アムネスティ発表国際ニュース
2011年1月5日