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ハイチ:増え続ける、女性への性暴力

2011年1月18日
国・地域:ハイチ
トピック:女性の権利
ハイチに設立された、急場しのぎの避難民キャンプで生活する女性や少女たちを狙った強かんや性暴力が増加している。アムネスティ・インターナショナルは、1月6日に発表した報告書の中でこのように述べた。

死者23万人、負傷者30万人を招いた地震から1年、いまだに100万人をこえる人びとがハイチ南方に位置する首都ポルトープランスで、劣悪な環境のもとにテント生活を送っている。ここで、女性たちは深刻な性暴力を受けている。加害者のほとんどは、日没後にうろつく武装した男たちだ。

新たに発表されたアムネスティの報告書「地震の後遺症:ハイチの避難民キャンプにおける性暴力を訴える女性たち」によれば、2010年1月の地震直後の150日間に報告された強かんの数は、複数のキャンプで250件を超えている。

地震から1年たった今でも、強かんされた女性たちが、女性支援グループの現地事務所を二日に一度は訪ねてくる。

「それでなくても女性たちは地震で愛する者たちを失くし、家や生活を失くして、それをあきらめようと苦しんでいるのに、彼女たちは今もなお、つねに性暴力にさらされる状況下で生活をしなければならないという、さらなるトラウマに襲われています」とアムネスティのハイチ調査員、ジェラルド・デュコスは述べた。

「蔓延する性暴力を阻止するために、新政府は、避難所生活をしている女性や少女への保護を最優先にするべきです。政府は、広範におよぶ人道的危機に対処する中、女性たちの保護をこれまでほとんど無視してきました」。

ハイチでは、2010年1月以前も性暴力が多発していたが、地震後状況はさらに悪化した。警察署と裁判所が倒壊したために、もともと限界のあった当局の機能がさらに落ち、そのために、性暴力の報告がさらに困難になった。

今回の調査にあたり、アムネスティは50名以上の性暴力の被害者から聞き取り調査を行った。

14歳のマシューは、ポルトープランス南西のカルフール・フイーユで、被災者として避難民テントで暮らしている。彼女は3月、トイレに行ったときに強かんされた。

「わたしの後から少年が入ってきて、トイレのドアを開けました。そしてわたしの口をふさいで、思いをとげようとして……わたしをぶちました。拳骨でなぐられたのです。警察には行きませんでした。その少年のことを知らなかったので、警察に行っても助けてはもらえないからです。今も哀しくて仕方ありません……また同じことが起こるんじゃないかと思うと、怖いです」とマシューはアムネスティに語った。

二人の息子や友人と急場しのぎの避難所で暮らしていた別の女性、スージーは、5月8日の夜中の1時に襲われた。スージと友人は、避難所に押し入ってきた男たちに目隠しをされ、子どもたちの目の前で強かんされた。

「男たちが立ち去ったあと、わたしは何もしませんでした。気力がまったく湧いてこなかったのです……強かんされた女は病院に行くべきなのでしょうが、お金がないので行きませんでした。暴行をうけた被害者の手当をしてくれる病院がどこにあるかもわからなかったし」とスージーは語った。

スージーは、1月の地震で両親、兄弟、夫を失った。彼女の家も倒壊した。

アムネスティは今回の報告書において、過去1年の間、避難所内外の警備や安全性の欠如が、増加する性暴力の主要因になっていることを強調している。

報告書は、強かんの被害者に対する警官の反応も不的確だと指摘している。多くの強かんの被害者が、警官に助けを求めた際、「できることは何もない」と言われたと語っている。

「治安の悪い、過密な避難民テントで暮らす女性たちにとって、もともと穴だらけの法律や不安定な秩序が、地震以降は完全に崩壊してしまっているのです」とアムネスティのへラルド・デュコは述べた。

「避難所のなかでは、女性や少女たちは安全に暮らせません。彼女らは見捨てられて、暴力に対しても無力であると感じています。武装したギャングたちが、好きなときに襲ってきます。そしてギャングたちが司法の場で裁かれる見込みはほとんどない、と彼女たちは思っているのです。」

アムネスティは新政府に対し、人権問題に幅広く取り組む計画の一環として、女性に対する暴力を防ぐ措置を緊急にとることを求める。

避難民キャンプ内での安全を確保し、さらに警官が適切に対応し、加害者を司法の場で裁くなど、しかるべき措置をただちに取るべきである。

アムネスティ発表国際ニュース
2011年1月6日

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