ウガンダ:LGBT権利活動家の殺害事件を直ちに調査せよ

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2011年1月27日
国・地域:ウガンダ
トピック:性的指向と性自認
同性愛者として自分の名前を掲載した国営新聞に対する訴訟に成功したLGBT権利活動家の死亡事件に関して、信頼のおける調査を実施するよう、アムネスティ・インターナショナルはウガンダ政府に対し要請した。

セクシュアル・マイノリティズ・ウガンダという団体でアドボカシーを担当していたデイビット・カトは、カンパラ郊外のムコノ県にある自宅で何者かに頭を強く打たれ、水曜日の午後、病院に搬送される途中で息を引き取った。

「アムネスティは、このデイビット・カト氏の衝撃的な殺害事件に愕然としています。ウガンダ政府は、直ちに彼の殺害に関して信頼できる公平な調査の実施を保障しなければなりません」とアムネスティのアフリカ部副部長のミシェル・カガリは語った。

「ウガンダでのLGBTの人びとに対する差別をウガンダ政府があからさまに黙殺していることが非常に心配です。今こそ、これまで以上に、実際のまたは他者から認識される性的指向や性自認のいかんに関わらず、人びとを脅迫や暴力から守ることを、ウガンダ当局は国民に改めて保障すべきときなのです」

「この殺人に関与したと思われるすべての者を、国際基準に則った、公平な裁判にかけなければなりません」とカガリは続けた。

カトは、ウガンダのLGBTの人びとに対する差別をなくすための対策を取るよう当局に要請してきた。とくに、LGBTだと思われる人びとの名前、写真、そして個人情報を掲載しているタブロイド紙を取り締まるよう求めてきた。

大学卒業生によって創刊された週刊タブロイド紙のローリングストーン紙は、2010年10月2日に「ウガンダのホモたちの写真トップ100」と題された記事を出した。そして他の記事には、名前と写真のリストの上に「こいつらを吊るしてしまえ」という見出しが付けられていた。

1月3日、最高裁判所は、カトと他2名の活動家がローリングストーン紙を相手に起こした訴訟に対し、同タブロイド紙に不利な裁決を下した。
ヴィンンセント・ムソケ・キブウケ判事は、同タブロイド紙に対して、LGBTの人たちの身元を明かすことを禁止し、ウガンダのすべてのメディアに対しても同様に禁止する裁定を下した。

裁判所は「ゲイイズムや同性愛に関連した活動を攻撃することを目的として申立人の身元や家の情報を公開することは、個人と住居のプライバシーの権利を脅かす」と裁定した。

カト氏と一緒に訴訟を起こした2人の活動家も、命を脅かされる事件が起きたことを報告している。

近年、アムネスティを含む各人権団体は、性的指向と性自認に基づいて、およびLGBTの人びとに対する暴力を公表するウガンダの活動家たちに対して、差別や恣意的な逮捕、隔離拘禁、拷問、その他の虐待が着実に増加していることを記録してきた。

セクシュアル・マイノリティズ・ウガンダをはじめとする、いくつかの市民社会団体は、2009年9月25日に公表された反同性愛法案に対し、最前線に立って反対を主張してきた。

もしこの法案が制定されれば、国際人権法に反し、さらなる人権侵害の増加へと発展することになるだろう。

アムネスティ発表国際ニュース
2011年1月27日

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