リビア:安保理とアラブ連盟は、リビアの犯罪に断固とした対応を

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2011年2月23日
国・地域:リビア
トピック:変革を求める中東・北アフリカ
アムネスティ・インターナショナルは22日、国連安全保障理事会とアラブ連盟に対し、数百名の抗議者の命を奪った事件の調査を行うため、早急に調査団を派遣するよう呼びかけた。

22日、リビアにおける急増する暴力について協議する特別会合のために国連安全保障理事会とアラブ連盟双方が会合を持つことをうけ、国際刑事裁判所(ICC)での起訴への可能性を持つ調査をアムネスティは呼びかけた。

アムネスティはまた国連安全保障理事会に対し、リビアに対する全面武器禁輸措置をとるよう要請した。抗議参加者に対して死に至らしめる武力を行使するため、治安部隊がさまざまな兵器、軍需品、軍隊および警察の装備などの配備を進めていることが報じられている。

「カダフィ大佐および彼の政府は、権力の座にすがりつくために多くの人びとを殺害する準備をしているようにみえます。国際社会は今、これを阻止すべく行動しなければなりません」とアムネスティ事務総長サリル・シェティは述べた。

国連とアラブ連盟は、現地の状況を調査し安全保障理事会に迅速に報告するため、合同もしくは別々に、今すぐリビアへ代表団を派遣するべきであるとアムネスティは述べた。

勧告には、リビアにおいて行われた犯罪の規模が、安全保障理事会が国際刑事裁判所検察官へ事態を付託するに相当するかどうかの判断が含まれるべきである、とアムネスティは述べた。

ナヴィ・ピライ国連人権高等弁務官は21日、抗議参加者に対するリビア当局の行為は人道に対する罪に相当する可能性がある、と語った。

カダフィ大佐の息子であるサイフ・アルイスラム・カダフィは20日に放映されたテレビのスピーチにおいて、反政府派の抗議を終わらせるために、軍隊は「いくら犠牲を払おうとも、大きな役割を果たし」、リビア政府は「最後の男、女、銃弾とまで闘い続ける」と述べた。

「自分の父親が権力を持ち続けることを支持するために、カダフィ大佐の息子が虐殺を容認するようなことを公に述べるような気になったのは、とんでもないことです。」

「国際社会は同国の政府、軍隊、治安機構のすべての関係者に対し、現在報じられているような国際法上の犯罪について彼らおよびその命令を実行した者はその責任を追及されるということを、今すぐ明確にするべきです」とアムネスティのサリル・シェティは述べた。

2月20日までにおよそ200人の人びとが治安部隊によって殺害されたという報告を東リビアにある病院からうけ、アムネスティは警鐘を鳴らしている。病院の職員は、死者の数を把握するのに苦闘しているとアムネスティに語った。

これらの調査は主要な病院のみで行われているため、正確な死亡者数はこれよりかなり多いとみられている。また複数の家族は、犠牲者を病院に搬送することなく埋葬したようである。

「安全保障理事会はまた、リビアへのあらゆる武器および軍装備品の輸出あるいは移転を今すぐに止めるべきです。意図的に何百人もの人びとが殺害されようとしています。」

「各国は、これ以上の殺害に加担してはなりません。軍隊および警察への援助とリビアとの協力は、深刻な人権侵害の危機が終わるまで停止しなければなりません。」

アムネスティは国連とアラブ連盟に加え、アフリカ連合に対しても行動を起こすよう呼びかけている。

「リビアが加盟しているすべての国際機関は、危機の深刻さを認識する必要があります。アフリカ連合は緊急に、平和・安全保障理事会の場で、リビアで行われている悲惨な人権侵害について対応する必要があります」とサリル・シェティは述べた。

■背景情報

国連安全保障理事会は、問題になっている当該国がローマ規程に加入していない場合など、そのままでは国際刑事裁判所の管轄権がおよばない事態について、国際刑事裁判所の検察官に付託する権限を持つ。


アムネスティ発表国際ニュース
2011年2月22日

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