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リビア:強制失踪に終止符を

2011年4月 4日
国・地域:リビア
トピック:変革を求める中東・北アフリカ
ムアンマル・アル・カダフィ大佐に忠誠を誓うリビア軍が、増大しつつある反体制派を弾圧するため、彼らを強制的に失踪させる作戦を展開している。アムネスティ・インターナショナルは、3月29日に発表した報告書の中でこのように述べた。

「リビア:拘束され、行方不明になっている人びと※1」には 、抗議行動が起こる以前から失踪している政治活動家、反体制派の戦闘員あるいはその支持者であると疑われている人びとを含む、30件のケースが詳しく記載されている。

「カダフィ大佐の支配に反対しているという疑いがあれば、誰彼を問わず隔離拘禁し、大佐の拠点であるリビア西部に移送するという組織的な政策があるように思えます」とアムネスティのマルコム・スマート中東・北アフリカ部長は述べた。

「強制失踪させられたという状況を考えれば、こういった人びとが拷問や虐待を受ける深刻な危機にあると信じるに足る十分な理由があるのです。」

「カダフィ大佐は、この常軌を逸した作戦を中止し、自軍に対し国際法を遵守するよう命令しなければなりません。」

失踪は、カダフィ政権に対する抗議行動が武装蜂起へと発展する以前から起こり始めていた。

二児の父親で著名なブロガーであるAtef ‘Abd al-Qader Al-Atrash が最後に目撃されたのは、2月17日にベンガジ港の近くで行なわれた集会に参加している姿であった。彼はそのときにカダフィ大佐派の部隊に拘束されたとみられている。親族の一人はアムネスティに以下のように語った。

「彼の携帯電話に電話をかけ続けましたが、全く連絡が取れませんでした。そして数日後に、西部(リビア西部の)訛りの男が電話に出ました。男は『我々を非難するからこういうことになるのだ』と言いました。しかし、彼は非難などまったくしたことがないのです」

反政府勢力がベンガジを制圧し、カダフィ派の部隊が退却した際、部隊は子どもを含む多くのデモ参加者を拘束したとみられている。アムネスティは、2月20日にカテバ・アル=ファディールの軍事施設内あるいはその近くで最後に目撃された多数の人びとについて、文書に記録している。

行方不明中の、14歳の学生であるHassan Mohammad al-Qata’niの親戚は、アムネスティにこのように語った。

「彼が行方不明になってから、私は眠れずにいます。家族はみな眠ることができずにいます。私たちは非常に心配しているのです。彼はまだ子どもです。何をすればいいのか、どこを探せばいいのか、誰に助けを求めるべきなのか、私たちにはわからないのです」

紛争が拡大する一方で、失踪が続いている。戦闘の最前線の町であるベン=ジャワドおよびその近郊では、多数の人びとが行方不明になっている。その中には戦闘員も含まれているが、負傷者を助けるために現地に赴いた市民や、単に見物に来ていた人びとも含まれている可能性がある。

ある情報提供者は、3月6日早朝にベン=ジャワドでカダフィ大佐派の部隊に親戚が捕らえられたが、多くの捕らえられた人びとと共にシルトにあるKateeba al-Sa’idi 軍事施設に移送される途中に電話をかけることができた、とアムネスティに語った。

その後、この拘禁被害者の電話を使ってカダフィ大佐派の兵士から被害者の兄弟に電話があり、「家族や母親、そして兄弟姉妹と一緒にお前も焼いてやる」と脅迫されたという。

アムネスティはカダフィ大佐およびその側近に対し、被拘禁者の安全を確認し、拷問から彼らを保護するために、そしてその所在を家族に直ちに知らせるために、即時に被拘禁者に自由に面会できるようにすることを要求した。

またアムネスティは、被害者を拘禁している者に対し、捕虜となった戦闘員あるいは戦闘員であると疑われている人びとを、国際法に基づいて人道的に扱うこと、および赤十字国際委員会が即時に面会できるようにすることを強く求めた。

「カダフィ大佐は、本紛争中に自軍が犯したいかなる罪に対しても、国際法廷でその責任が問われる可能性があります」とマルコム・スマートは述べた。

「抗議行動を支持する平和的な活動を行なっただけで拘禁されたすべての人びとを即時に解放し、安全に自宅に帰ることができるようにすべきです。」

◆背景◆

報告書「リビア:拘束され、行方不明になっている人びと」は、リビア東部において実施されたアムネスティのチームによる調査に基づくものである。

アムネスティが文書にて記録したケースは、ここ数週間で拘禁され、あるいは失踪させられ、カダフィ大佐の部隊の監視下に置かれた人びと全体のごく一部でしかないと考えられている。通常、リビア政府が拘禁した人びとの情報を公開することはなく、またリビア国内の多くの地域では独立した調査を行うことができないため、実際の人数を確認することは不可能である。また、強制失踪被害者の親族には報復を怖れ、名前を公表することをためらっている人びともいる。

カダフィ大佐派の部隊に拘禁された外国人記者たちは、殴られたり、暴行を受けたり、処刑すると脅迫されており、模擬処刑に処された記者すらいた、と報告している。また記者たちは、拘禁されていたリビア人が虐待を受ける姿を目撃しており、懸念を表明している。

数千件の未解決の強制失踪および超法規的処刑が、ムアンマル・アル・カダフィ大佐の支配下で行なわれてきた。

※1 報告書 「Libya: detainees, disappeared and missing(英文)」
http://www.amnesty.org/en/library/asset/MDE19/011/2011/en/569f0509-c3db-433f-b023-89aea68dde8e/mde190112011en.pdf


アムネスティ発表国際ニュース
2011年3月29日

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