ミャンマー(ビルマ):「犬の独房」に収容される囚人たち

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2011年6月 7日
国・地域:ミャンマー(ビルマ)
トピック:
ビルマ政府が、ハンガーストライキを行った囚人への懲罰として、囚人を軍用犬用に設計された独房に押し込んでいることが明らかになった。
これをうけアムネスティ・インターナショナルは3日、ビルマ政府はこの懲罰を止めねばならないと述べた。

アムネスティが入手した情報によると、ヤンゴンにあるインセイン刑務所でハンガーストライキを行った、2人の仏僧を含む7人の囚人が、軍用犬用の独房で5月24日から26日まで監禁状態に置かれていた。

「インセイン刑務所の囚人たちが今まさに受けている、残酷で非人道的な扱いは、ビルマ政府が依然として最も基本的な人権を完全に軽視していることの一例です」とアムネスティの調査官のベンジャミン・ザワッキは述べた。

「ビルマ政府は囚人に対し、いかなる虐待も即座にやめなければならなりません。またそのような虐待に対して責任を負うべき立場にあると思われる役人をすべて停職処分とし、起訴する必要があります」

過去に犬の独房に収監されたことのある政治囚の一人は、独房の中は白シラミでいっぱいで、下水のにおいがすると述べた。また独房監禁中は一時的に食料や水を与えられなかったと報告した者もいる。

すべての囚人の減刑をたった1年だけにするという政府の決定に抗議をするため、少なくとも3人の女性政治囚が、5月17日にインセイン刑務所でハンガーストライキを行った。

刑務所内の環境についての抗議行動を始めた22人の他の政治囚も、5月22日に彼女たちに加わった。

ハンガーストライキを行ったアウンチョーソー、ニィニィトゥン、ニャンリントゥン、ソーモートゥン、ゾートゥンナインと仏僧のウーヴィソーディ(別名:ウンナーテー)とウーイェーバータ(別名:イェーミンナイン)は、5月24日に犬の独房に収監された。

彼らは5月26日に元の独房に戻された。しかし、職員が5月27日ごろに抗議者と話し合いを始めたものの、話し合いが決裂すると、ハンガーストライキを続けると決心した政治囚たちは犬の独房に再び収容されたという。

犬の独房は長さが10フィート(約3m)、幅が7フィート(約2.1m)で、窓がなく、防音設備が施されている。適切な衛生状態ではなく、床にはベッドもマットもない。

これとは別件で、ビルマ北部のカレー刑務所に収容されている多くの政治囚たちが、刑務所の処遇の改善を求めた嘆願書に署名をした。署名者の中には、仏僧であり人権活動家であるウーガンビラも含まれている。彼は2007年の8月と9月における改革前のデモ行動で担った役割から、現在68年の懲役刑を課せられている。

嘆願書はティンセイン大統領と国連人権理事会に送られた。嘆願書には、もし5月31日までに要求が満たされない場合は、署名者は全員ハンガーストライキに入るだろうと書かれていた。

ビルマ政府は5月16日、現在の収監されている囚人すべてに1年の減刑を行うことを発表した。しかし、少なくとも2200人の政治囚がいまだに獄中にいる。


アムネスティ発表国際ニュース
2011年6月3日

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