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インドネシア:ムニール暗殺から7年目 インドネシア検事総長への公開書簡

2011年9月 7日
国・地域:インドネシア
トピック:危機にある個人
インドネシア共和国 検事総長
バスリエフ・アリフ 殿

人権活動家ムニール・ビン・タリブ氏(以下、ムニール)の殺害から7年が経とうとしている今日、私たちは、ムニールの死に対していまだ説明責任が果たされていないことへの懸念を表明するために、手紙を書いています。

本件に関して、検事総長である貴殿が、事件の調査を優先事項として取り組むよう、私たちは要請します。ムニールの事件について十分な説明責任が果たされていないことは、インドネシアの人権活動家の間に今も広がる不安の風潮の一因となっていますし、「人権活動家を保護する」という政府の公約に疑問を抱かせるものです。

ムニールは2004年9月7日、ジャカルタからオランダに向かうガルーダ・インドネシア航空機の中で死亡しました。オランダ当局の検視によって、ムニールの死は食事に混入されたヒ素によるものだと判明しました。2名が殺害行為について有罪判決を受けましたが、首謀者が裁かれていない疑いが強く持たれています。

2008年12月31日、ムフディ・プルウォプランジョノ元国家情報庁副長官は、ムニール殺害を教唆し、殺害の手助けをした嫌疑について無罪となりました。当時、人権団体は、検察側の重要証人3人が宣誓した証言を撤回したことなど、裁判が公正な裁判に関する国際基準を満たしていないことを指摘していました。ムニールと連帯する活動委員会(KASUM)は、人権活動家の状況に関する国連特別報告者に2009年に提出した報告書において、ムフディの無罪判決は「人権の推進や、もっと広く言えば人権活動家の保護にとって、後退要因となった」と結論付けています。

2010年2月、国家人権委員会(Komnas HAM)の特別チームは、警察捜査、起訴およびムフディ・プルウォプランジョノの裁判における欠陥を明らかにし、警察による新たな捜査を行うよう勧告しました。独立した事実調査チームがスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領によって設置され、2005年に調査結果に関する報告書を提出しました。しかし、チームを設置した大統領令によって求められていたにも関わらず、報告書は公開されていません。

インドネシアの著名な人権活動家であったムニールは、1998年のスハルト政権末期に強制失踪した何十人もの活動家の問題を取り上げました。ムニールはまた、アチェとティモール・レステ(東ティモール)における人権侵害について、軍に責任があることを示す証拠を明らかにするという重要な役割を担いました。

ムニールの殺害に対し説明責任が果たされずにいることは、インドネシアの人権活動家たちにとって、彼らの活動が依然脅威にさらされており、また人権活動家への拷問、違法な殺人、強制失踪などの過去の人権侵害に関与した人びとが責任を追及されないままになっていることを意味しています。アムネスティは、インドネシアの人権活動家の人権が侵害されているという信憑性の高い申し立てを受け続けています。

インドネシア政府は、国際・国内法上、および国際基準上の義務に基づき、人権侵害に関わったと疑われるすべての人物を、国際基準を満たす公正な手続きによって裁判にかけなければなりません。またインドネシア政府は、憲法により保障された表現の自由や、人権活動家に関する国連の宣言に則り、人権活動家が活動できることを保障する義務があります。

したがって、私たちは、検事総長である貴殿に、以下の措置を優先的に講じることを求めます。

・ムニールの殺害に対し新たな独立した調査をおこない、あらゆる段階での加害者に、国際人権基準に則って裁きをうけさせること。

・国際人権基準違反を含む、ムニール殺害事件に関係する過去の刑事訴訟手続きの見直しをおこなうこと。特に、事件の目撃者が脅迫を受けたことについての報告書を調査し、それらに関わったと疑われる人物を裁判にかけること。

・ムニール殺害について事実調査チームがまとめた2005年の報告書を、公開し、真実究明への大きな一歩を踏み出すこと。

・人権活動家への人権侵害を早急かつ効果的、公正な方法で調査し、またそれらの人権侵害に責任のある人物が裁きを受けることを保証するため、実効的な措置を講じること。

・人権活動家のさらなる法的保護を目的とした特別法案の可決を支持すること。

貴殿がこれらの提言を真摯に受け止め、支持を表明することを、私たちは心より望むとともに、確信しています。


アムネスティ・インターナショナル日本
事務局長 若林秀樹

Peter Thomas
Acting National Director
Amnesty International Australia

Stephan Oberreit
Director
Amnesty International France

Wolfgang Grenz
Acting Director
Amnesty International Germany

Mabel AU
Director
Amnesty International Hong Kong

Nora Murat
Director
Amnesty International Malaysia

Altantuya Batdorj
Director
Amnesty International Mongolia

Rameshwar Nepal
Director
Amnesty International Nepal

Eduard Nazarski
Director
Amnesty International Netherlands

Patrick Holmes
Director
Amnesty International New Zealand

Aurora Parang
Director
Amnesty International Philippines

Jihyun Yoon
Acting Director
Amnesty International South Korea

Sandra Li
Director
Amnesty International Taiwan

Parinya Boonridrerthaikul
Director
Amnesty International Thailand

Kate Allen
Director
Amnesty International UK

Larry Cox
Director
Amnesty International USA


アムネスティ発表国際ニュース
2011年9月5日

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