- 2011年10月20日
- 国・地域:サウジアラビア
- トピック:女性の権利
9月25日、サウジアラビアのアブドラ国王は、唯一国民の投票を認めている地方議会選挙において、2015年から女性が投票し立候補する権利を認め、また国王の諮問機関であるシューラ評議会に女性を任命すると発表した。
しかし、サウジアラビアの抑圧的な法律の下では、女性は男性保護者の許可なしでは旅行、就業、高等教育および結婚は不可能である。
「これは、制限付きではありますが、サウジアラビアにおける男女平等へ向けての長い道程の歓迎すべき第一歩であり、同国の女性の権利活動家たちによる長い闘争の証しとなるものです」とアムネスティ中東・北アフリカ副部長フィリップ・ルーサーは述べた。
「しかし、これは極めて遅い歩みであり、前途は遠いと言わなければなりません」
王国の法律は、いまだに女性に車の運転を認めていない。今年6月、女性の運転の権利を強力に主張したキャンペーンは数十人の逮捕者を出す結果となった。
これらの女性たちはすべてまもなく釈放されたが、以後運転はしないという誓約書への署名を強制された。報告によれば、裁判にまで至った事例も数件あった。
「王国における女性の男性への従属という制度全体を、解体しなければなりません」とフィリップ・ルーサーは述べた。
「女性の投票権に関するこの発表が、サウジアラビアの女性が長年要求してきた権利を保証する改革への長い道程の第一歩となることを望みます」
サウジアラビアにおける女性に対する男性保護者という制度は、私的および公的な生活において女性の権利をきびしく制限するものである。また、サウジアラビアの女性が他国籍の男性と結婚した場合、その子どもたちにはその国籍が認められない。これは他国籍の女性と結婚したサウジアラビア男性の場合と異なっている。
サウジアラビアでは、女性に対するドメスティック・バイオレンスが蔓延していると見られる。
「サウジアラビアは正しい方向に向かってはいるが、その動きはあまりにも緩慢です。結局のところ、女性の投票権をまだ認めていない世界で最後の国の一つであることを考えれば、今回の発表を大きな成果と見なすことはできません」とフィリップ・ルーサーは述べた。
アムネスティ発表国際ニュース
2011年9月26日
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