エジプト:軍当局、人気ブロガーの拘禁を延長

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2011年11月24日
国・地域:エジプト
トピック:変革を求める中東・北アフリカ
エジプトの軍事政権に対し批判的な人気ブロガーの拘禁が延長された。これをうけアムネスティ・インターナショナルは、エジプト軍当局に対し、彼を即座に釈放するか、民間法廷で裁判を行うよう求めた。

11月13日、エジプトの人気ブロガー、アラー・アブド・エルファタの拘禁期間が、15日間延長された。今後彼は、軍事裁判所において、大いに不公平な取り扱いを受けることが懸念される。彼にかけられた容疑は、軍に対する暴力活動の煽動、軍関係者への妨害行為、そして兵器の窃盗である。

軍当局は、アラー・アブド・エルファタに対する容疑を実証する証拠を、いまだに提示していない。

同国を暫定的に統治する軍最高評議会は、議会に対する批判に対し厳しく対応し、軍事裁判所を乱用して報復している。

エジプトのNGOによると、アラー・アブド・エルファタは、釈放する代わりに、軍事評議会や指導者の批判を止めるよう求められたが、彼はこれを拒否したようだ。アラー・アブド・エルファタはネット上で軍事政権を批判した直後に、軍の検察官による取り調べを受けた。

10月9日に起こった、マスペロの国営テレビ局周辺でのデモでは、治安部隊や機動隊が暴力的にデモ隊を鎮圧し、少なくとも27名が死亡した。アラー・アブド・エルファタは「この事件の調査を軍が統轄している」と、軍当局を批判していた。

「軍隊が、自ら引き起こした事件を自分たちで調査するのは、受け入れ難いことです。殺害に関し、独立した調査が求められます」と、アムネスティは述べた。

「軍事裁判所は、一般市民を裁くために使われてはなりません。被告の上訴権を、事実や証拠を検証することなく拒否することは、独立性と公平性に欠きます」

アムネスティは、軍事政権を批判したり、表現・集会の自由の権利を平和的に行使したために拘束されている人びとを、即時かつ無条件に釈放するよう求めている。

アラー・アブド・エルファタの母、ライア・ソウエは、息子の拘禁に対する抗議として、11月6日よりハンガーストライキを行っている。これを受け、エジプト軍当局に対し、世界各国から批判が高まっている。

11月11日には、国連人権高等弁務官事務所(UNHCHR)が軍による拘禁の継続を重大な違反と判断し、アラー・アブド・エルファタの釈放を求め、声明を発表している。

エジプト軍最高評議会は、マスペロのデモ参加者に対する治安部隊の過度の武力行使の検証をいまだ行っていないにもかかわらず、デモ参加者が暴力を誘発したと主張し、デモ鎮圧に批判者を弾圧している。


アムネスティ発表国際ニュース
2011年11月14日

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