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リビア:国民評議会による表現の自由の制限は、許されない

2012年5月17日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:リビア
トピック:国際人権法

リビア政府は、死亡したムアマル・カダフィを「神聖化」する者に対する刑罰を制定した。この刑罰は、「2011年2月17日に起きた『怒りの日』の教訓を守る」という盾前による表現の自由に対する圧力であり、許されるべきではない。

反カダフィ派国民評議会(NTC)は5月2日、「2012年法第37条 独裁者神聖化に対する罪」を制定した。この法律では、現在のリビアを「戦時下と同じ状況にある」と定義している。

第37条には、このような戦時下での風評や、プロパガンダで国の防衛を脅かす者や国民を「恐怖に陥れる」、あるいは国民の「モラルを揺るがす」者に対する刑罰が明記されている。さらにカダフィ政権に対する政治・思想的信仰者であることは、「扇情的プロパガンダ」に該当するとしている。

また、第37条には、刑罰対象者には「『怒りの日』の教えを犯す者」という曖昧な規定も含まれている。さらに、イスラムの教えや政府・組織に反発する者、または「リビア人に対する公の場での犯罪」にも、同罪が定められている。同法律では具体的な刑期は定められていないが、リビア刑法によれば3年から15年である。

「この新しい法律は、40年に渡る残酷なカダフィ政権の苛酷で恐ろしい法律を彷彿させるものです。リビア人は、そのような威圧的な慣習を再び導入するためではなく、排除するために、昨年2月に大きな代償を払ったはずです」と、アムネスティ・インターナショナルの中東・北米事務局長であるフィリップ・ルーサーは述べた。

NTCの幹部がアムネスティに話したところによれば、この法律はカダフィ政権の被害者感情を擁護し、そして国の調和を目指すために必要だという。さらに他の幹部は、現在でも学校でカダフィ崇拝を教える教師がいること、「怒りの日」の教訓を脅かす人間がいるため必要な法律だと指摘した。

しかし同法律は、リビアが国際国家としてあるべき姿とは真逆であるだけではなく、リビアが2011年8月3日に宣誓した「国家宣誓の自由表現の保障」に反している。

カダフィ政権下では、表現の自由は、法の下でも日常生活でも厳しく制限されていた。カダフィ政権を批判するもの、あるいは政権に脅威となる者に対しては、死刑や終身刑を含む、厳しい処罰が明記されていた。

その一方で、カダフィ政権崩壊以来、今度は彼の支持者たちが報復や復讐として法の枠から外れた刑罰を受けている。カダフィ支持者であることを理由に何千もの人びとが拘留されているが、それらに対する、処分は一切ない。

「表現の自由の制限は、新生リビアの人権に対する尊厳の基礎を築く上で後退です。新政府の支持者だけでなく、発言の自由を全国民に保障するべきです」とフィリップ・ルーサーは述べた。

「同法は、リビアにこれから勃興するメディアの活動に水を差し、良心の囚人の投獄に結びつく可能性があります」

「市民的及び政治的権利に関する国際規約第19項」によれば、新生リビアや反政府的な思想を含め、「リビアは平和的表現の権利を守ることに同意している国である」と記されている。

社会秩序や他の権利を守るためには、ときには表現の自由を制限が必要とされるかもしれない。しかし、このような制限は、絶対的に必要とされるときのみ強制されるべきであり、そのような場合は最小限の制限に留められるべきである。アムネスティは、平和的な自由表現活動を脅かす刑罰は、決して許されるべきではないと考える。
 

アムネスティ国際配信ニュース
2012年5月3日

 

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