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カナダ:ケベック州の改正法は、国際人権規約に違反する

2012年6月 6日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:カナダ
トピック:

ケベック州は、警察に前例のない権力を付与する新法を制定した。© ROGERIO BARBOSA/AFP/GettyImages
ケベック州は、警察に前例のない権力を付与する新法を制定した。© ROGERIO BARBOSA/AFP/GettyImages

カナダのケベック州で、学費の値上げに反対する学生たちによるデモが行われている。この最中にケベック州は、警察に前例のない権力を付与する新法を制定した。この新法は、言論・集会・移動の自由を保障した、同国が守るべき国際人権規約に反するものだ。

14週間前に始まった、授業料の値上げ提案に関する学生による抗議活動は、この数週間で規模も注目度も拡大し、2000人以上の逮捕者を出した。5月23日だけで、複数の都市で700人近くが逮捕されている。

デモのほとんどは、平和的なものである。ケベック州最大の都市モントリオールでは市民の幅広い共感を呼び、抗議運動の参加者は20万人に達した。

緊急法案は5月18日に可決され、法78条「学生が、所属する中等教育以後の機関からの指示を受けることを可能にする法」と名付けられた。これは、公的なデモ活動にさまざまな規制を課すものである。また同法は、抗議活動の責任者に50人以上の集団を招集する前の事前の申し込みを義務付けている。

「78号法案は、州、国、国際的な人権法の下で許されるべき基本的な自由を大きく踏みにじるものです」とアムネスティの特別アドバイザーであるハビエル・ツニーガは述べた。

「基本的人権を行使したい市民に対し、当局への事前申し込みを要求することは、理不尽かつ受け容れ難い。ケベック州議会は、この厳格な法律を直ちに撤廃すべきです」

可決された緊急法案の内容

78号法案の過度に広範な規定は、複数の人権に関し、カナダ守るべき国際人権規約に反している。これには集会の自由、言論の自由、そして無罪推定の権利が含まれる。

また同法は、大学職員の組合に関する規制も設けている。多くは、労働組合運動に関する権利である。23日、ケベック州の法学部教授60人が新法の分析を発表し、新法を批判した。他のカナダの人権団体とケベック協会も、同様の重大な懸念を表明している。

78号法案は、50人以上の集会の責任者に、少なくとも8時間前までに集会の詳細を記述した申請書の提出を義務付けている。これは自然発生的な抗議活動を事実上禁じている。あわせて、警察にデモ活動の経路を変更させるか、活動自体を却下する権限を付与している。これは前代未聞である。

学生グループや他の集会の自由もまた、妨害される可能性がある。抗議デモや他の集会が教育サービスの妨げになった場合、高額の罰金を払うことになるからだ。

新しい規則では、集会の参加者が違法行為を働いた場合、責任者と推定される者を逮捕出来る。これは、有罪が証明されるまで推定無罪の原則を覆すものだ。

78号法案は法的な根拠もなく当局が活動中の個人に対して恣意的な規則を行使する権限を付与するものであると、アムネスティは考える。

「個人が、平和的なデモ、フェスティバル、スポーツイベント、宗教的な集まりなど公の場の集会に単に参加しただけで、犯罪者となるか否か、もはや予測できなくなるということです。これは、受け容れ難い法律です」と、アムネスティのカナダ・フランス語圏事務局長であるビアトリス・ボーグランテは述べた。

「私たちは、野蛮で暴力的な行為をはっきりと批判し、法の執行官には市民を守り公の秩序を守る義務があると考えています。多数の推定無罪の人々を一斉検挙する裁量的な権限を彼らに付与することは危険であり、カナダの国際人権規約に違反します」
この数週間、アムネスティのフランス語圏事務局は、モントリオールで現在進行中の抗議活動に対する警察の動きに懸念を表明した。平和的な抗議活動でのマスク着用の禁止、行き過ぎた権力を行使した裁量的な逮捕を実行していることへの懸念だ。

アムネスティは改めて、直近のケベック内の抗議活動における警察の動きと一部の人びとの暴力行為・野蛮な行動に対する独立した調査を呼びかけた。

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