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ナイジェリア:裁判所が画期的な判決 環境汚染の石油会社を処罰

2012年12月28日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ナイジェリア
トピック:企業の社会的責任

SERAP(*)(社会経済権と説明責任を求めるプロジェクト)がナイジェリア政府に対して起こした裁判で、ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)裁判所は12月14日、石油会社による環境破壊は政府の責任であるとし、政府は企業や他の加害者らに公害責任を問うべきだとの判決を全員一致で下した。

アムネスティ・インターナショナルとSERAPは、この画期的な判決を「政府と企業に公害責任をとらせる重要な契機」と歓迎した。

SERAPは、ナイジャーデルタの石油汚染による人権侵害容疑で国と石油会社6社を相手取って訴訟を起こしていた。

判決は、政府が石油企業の長年の操業による破壊から地域と住民を守らなかったことは、人および人民の権利に関するアフリカ憲章の第21条(自然財産および天然資源に対する権利)と第24条(一般的で満足できる環境に対する権利)に違反するとした。

また、環境破壊により、住民の食糧および社会生活に対する権利が侵害され、生計を立てる機会や、健康で適当な生活水準を享受する機会が損なわれた。政府と石油会社は地域住民の人権と文化権も侵害した、としている。

政府は事業の規制に有効な法案の制定や機関の設置を怠り、公害の加害者の責任を問わなかった。裁判所は、これらの怠慢は政府が果たすべき国際的人権擁護の義務と約束の不履行に当たる、と裁定した。
また裁判所は、「住民の生活の質は環境の質に左右される。しかし、政府はナイジャ―デルタ地域の発展に必要な環境を維持する責任を怠った」と強調した。

「この判決は、住民の健康な暮らしより利益を最優先させてきた企業と政府の責任を問う重要な一歩です」とSERAPのフェミ・ファラナ高等弁護士とアデトクンボ・ムムニは述べた。

「この判決は人々が健康的な環境への権利を持つことを支持し、環境汚染のない生活を送る権利を確認する重要な判例です」とアムネスティのマイケル・ボチェネクは語った。

裁判所は、政府が直ちに判決を完全に履行し、住民の尊厳と人間性を取り戻せるよう行動すべきだ、と語った。

「今、大多数のECOWAS加盟国が油田を発見しています。判決はこの地帯の石油とガスの採掘にかかわる政府と石油会社に最低限の操業基準を示した。他国も留意する必要があります」とSERAPのファラナとムムニは述べた。

「ECOWAS裁判所がナイジャーデルタの住民の権利と尊厳を守るために立ち上がったことを私たちは高く評価します。そして、この訴訟でアムネスティのコラウォレ・オラニヤン博士が法律面で貢献してくださったことに感謝します」。

原告SERAP側は「石油関係の公害と環境破壊が農業と漁業に打撃を与えた。その結果、住民は食物、仕事、健康、水、生活と人間としての尊厳、清潔で健康的な環境などへの権利を含む適当な生活水準を享受する権利を侵害された。さらに経済的、社会的発展への権利も侵害された」と申し立てていた。

また、「流出した石油や廃棄物は、飲料や生活用の水を汚染した。健康的な環境、健康の基本要因を保全しなかった。環境を保護する法整備を怠った」。

政府は「SERAPには提訴権はない。ECOWASにはこの訴訟を受け入れる権限はない。提訴期限は切れた」などと反論したが、裁判所はこれらをしりぞけた。さらに、政府はアムネスティが作成した石油汚染報告書(2009年)を裁判の証拠資料から排除しようとしたが、却下された。

アムネスティは報告書を出すにあたり、国際石油資本、とりわけシェルによる環境汚染と汚染防止や制裁を怠った政府の怠慢を徹底的に調査した。

ECOWAS条約第15条4項により、この判決はナイジェリアを含む加盟国に対して拘束力がある。そして1991年の第19条2項の議定書は、裁判所の決定は最終的なものであり、直ちに強制力があるとしている。さらに、判決に従わない国にはECOWAS裁判所の追加議定書第24条とECOWAS協定第77条により法的な制裁措置をとることができる。

(*)SERAPは、2004年にナイジェリアで設立されたNPO。公共および民間のセクターにおける透明性の確保と説明責任を求め活動している。アムネスティは、SERAPと共同で、ナイジャーデルタにおける石油採掘の問題に取り組んできた。

アムネスティ国際ニュース
2012年12月16日

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