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シリア:人権侵害に無力な国連シリア決議

2013年5月22日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:シリア
トピック:

国連総会で採択前に演説するシリア国連大使 (C) Getty Images
国連総会で採択前に演説するシリア国連大使 (C) Getty Images

5月15日の国連総会シリア決議案は、前向きな一歩ではあるが、シリア国内で果てしなく続く人権と人道の危機への対処とはならない。

107カ国が可決した拘束力をもたない決議案は、とりわけ、国連安全保障理事会に対し、シリアで進行中の暴力と人権侵害に対する説明責任を果たすための「適切な措置を考慮する」よう促すものである。ロシアを含む12カ国がその措置に反対し、59カ国が棄権した。

国連総会の決議案は、2011年3月、シリアでの暴動の勃発以降起こった人権侵害と国際人道法違反の疑いがあるすべての事件に対して、独立し公平な調査を行うよう、これまでになく強く要求している。ロシアと中国はシリアの状況に関する安保理決議案にこれまで3回拒否権を発動している。

シリアで進行中の武力衝突で何万もの人びとが死亡し、何百万人もが難民となっている。しかしそこで行われている深刻な人権侵害に、国連がようやく対処し始めるまで2年以上もかかった。

声だけでなく、確固たる行動が必要

世界の政府の大半がようやく声をあげ、シリアに関して明確な行動を取ることを支持したことは、国連安保理に対し、この問題を再度とりあげ、人権侵害に対して説明責任を果すために拘束力のある行動を起こす圧力となるはずだ。

これは、事態を国際刑事裁判所に委託し、戦争犯罪、人道に対する罪など国際法に違反する罪を犯した両陣営の責任者を裁判にかけることも意味する。

カタール、サウジアラビア、英国、フランスなどの国々が今日、国連総会に提案した決議案は、責任者が誰であっても、シリアの戦闘中に起こったすべての暴力を糾弾するものである。それは、両陣営に直ちに戦争行為を終結させ、国際人道法を含む国際法上の義務を厳格に遵守するよう要求している。また、それは現在の危機を終結させるための政権の移行を支持している。

決議案は、刑事免責を終了させ、国際人権法・人道法に対する深刻な違反と侵害を犯した者すべての責任の追求が重要であることを強調している。その中には戦争犯罪と人道に対する罪を犯したと思われるものも含まれる。また、シリアに関する独立調査委員会が職務を遂行するための権限を拡大し、広範囲に立ち入ることができるよう求めている。

2011年3月、シリアにおける深刻な人権侵害の最初の報告をして以来、アムネスティ・インターナショナルは国際委員会が、国際法に違反する罪などを犯した者に確実に責任を取らせるような措置を取り、被害者が賠償金を受け取れるよう、常に要求してきた。

十字砲火をあびる活動家たち

アムネスティはまたバシャル・アル=アサド大統領が紛争中の国内における反体制派への弾圧を終わらせるよう要求してきた。表現と集会の自由の権利を行使した数万の人びとが拘束され、その多くは隔離拘禁されているか、拷問などの虐待の危険にさらされている。

標的となった人びとの中には、多数の人権活動家がおり、その多くは最近設立された反テロ法廷での裁判に直面している。そこでの審理は公正な裁判の国際基準にはるかに及ばないものと思われる。

5月19日、反テロ法廷は「メディアと表現の自由シリアセンター」の5人の独立系活動家を起訴する予定である。彼らは2012年2月、センターの強制捜査で逮捕され、その後、強制失踪同然に恣意的に拘束されてきた。

センター所長のマゼン・ダルウィッシュなどの活動家は、シリアで戦闘が続く中で行った人権活動、メディア活動が「扇動的なテロリスト行為」であるとして告発されている。

マゼン・ダルウィッシュ所長と仲間の人権活動家たちがテロ関連の容疑で裁判中であることは、シリアの武力紛争中、いかに人権が踏みにじられてきたかを物語っている。

国際社会、特にシリアの同盟国は、アル=アサド政府に人権擁護活動家の起訴を取り下げるよう、また表現と集会の自由の権利を行使しただけでいまだに拘束されているすべての良心の囚人をすべて釈放するよう、圧力をかけるべきである。

バシャル・アル=アサド政府は武力紛争が始まって以降、数人の囚人に大赦を与えた。しかし、アムネスティは何十人もの良心の囚人の状況を調べてきたが、この恩恵を受けることなく、鉄格子の向こうの想像を絶する世界に置かれたままである。

アムネスティ国際ニュース
2013年5月15日

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