シリア:G20 今こそ、シリアの人びとを救うとき

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2013年9月 6日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:シリア
トピック:変革を求める中東・北アフリカ

ロシアのサンクトペテルブルクで5日、主要20カ国・地域(G20)首脳会議が開幕  © DIMITAR DILKOFF/AFP/Getty Images
ロシアのサンクトペテルブルクで5日、主要20カ国・地域(G20)首脳会議が開幕 © DIMITAR DILKOFF/AFP/Getty Images

長引く紛争で数百万人というシリア市民が受けてきた苦しみを和らげることを、G20首脳会合の最優先課題にするべきであると、本日、アムネスティ・インターナショナルは訴える。

G20は世界でも最も裕福な国で構成され、シリア政府と反政府勢力のいずれかと強い関係を持つ国も含まれている。

強大な力を持つこれらの国は、シリアの人道の危機を緩和するための計画をともに考え出すべきだ。

2日間の会合においてシリア情勢は公式の課題として設定されてはいない。しかし、米国をはじめいくつかの国が、国際的に禁止されている化学兵器の使用疑惑にもとづいて軍事介入を検討しているため、同問題は大きな議論となっている。

すでに数百万人がシリア国内で避難民となるか国外に逃れている。近年にはない規模の人道の危機が起きている。G20の各国首脳は、この会合の機会を活用して団結し、この空前の危機がこれ以上悪化しないようにしなければならない。

G20には国連安全保障理事会の全常任理事国がそろって出席している。G20会合は、ハイレベルで行動を起こす足がかりになりうるのだ。ロシアと中国は、国連安保理がシリアの状況を国際刑事裁判所に付託することを、これまで3度にわたって阻止している。

シリア危機は国際的なガバナンス体制に究極的な試練を突き付けている。G20と国連安保理は、私たちが直面しているこの試練に対応できるということを証明すべきだ。もし対応できなければ、未来の世代は、今日の失敗の責任を私たちに問うに違いない。

アムネスティ・インターナショナルは、G20の各国首脳に次の取り組みを呼びかける。

  • シリアの悲惨な人道状況を緩和するために、直ちに対策を講じること。各国のリーダーはシリアの武力紛争のすべての当事者が、人道支援団体や機関が自由にシリアに入れるよう対応を徹底し、必要とする支援がすべての人びとに平等に届くようにすべきである。シリア政府については、さらに、国境および戦線の往来を認めるべきである。
  • 女性や子どもを含む 200万人以上の難民を支援・保護している近隣諸国の負担を軽減するために、難民支援の取り組みをさらに講じる。庇護を求める人びとや難民を受け入れるすべての国は、シリアから戦火を逃れてくる人びとのために、すべての国境を開放した状態にしておくこと
  • シリアにおける人道に対する罪およびその他の人権法上の犯罪を捜査し訴追する共同責任を引き受けること。そのひとつは加害者をそれぞれの国の法廷で、死刑という手段を使うことなく、公正に裁くことである(普遍的管轄権の原則)。また、シリアの状況は国際刑事裁判所に付託しなければならない。

アムネスティ国際ニュース
2013年9月5日

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