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米国:テキサス州は精神疾患の死刑囚の執行を止めよ

2014年12月 2日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:米国
トピック:死刑廃止

現地時間の12月3日、テキサスでスコット・パネティ死刑囚(56歳)の執行が予定されている。(C) APGraphicsBank
現地時間の12月3日、テキサスでスコット・パネティ死刑囚(56歳)の執行が予定されている。(C) APGraphicsBank

12月3日午後6時(日本時間4日朝9時)に、スコット・パネティ死刑囚(56歳)の執行が予定されている。同死刑囚は複数の精神疾患を患っており、精神疾患者の死刑の執行は憲法違反であり、州政府は直ちに執行を停止すべきである。

パネティ死刑囚は1992年、義理の両親を銃で射殺し、殺人罪で死刑を言い渡され、20年近くも死刑囚監房に置かれてきた。しかし、犯行の年まで統合失調症など精神疾患で10回以上の入退院を繰り返し、法廷の審理中にも症状が出たし、現在も出ている。

今世紀に入って、ほとんどの国が死刑の執行を止めている。精神疾患の死刑囚は言うに及ばない。死刑は不当であるが、死刑制度の支持者は、特に精神疾患者を執行する不当性はよく認識すべきである。

パネティ死刑囚の執行停止も薬物注射が打たれる前なら、遅くはない。仮釈放委員会が減刑を決めればいい。同委員会の勧告がなくても、テキサス州知事が執行に停止命令を出すこともできる。執行をしてしまうと、米国の死刑の歴史に新たな汚点を残すことになる。

パネティ死刑囚の場合、2007年に5人の最高裁判事が指摘したように、これまでの記録は重度の妄想があるという結論を支持しているし、差し戻された連邦裁判所の判事も、「被告は重度の精神疾患者であり、犯行当時や審理で自ら弁護人を務めたときも、その疾患の影響を受けた行動を取っていた」とした。

1995年の裁判では、本人の主張により、自身が弁護人となっていた。被告は複数の審理で、カウボーイの衣装をまとい、とりとめのない弁護を繰り広げた。その姿を法廷で目の当たりにした人たちは、「茶番劇」「ジョーク」「サーカス」「裁判のまがい物」などと評した。

現在の弁護人らによると、精神疾患は今も続いていることが監房内の記録で分かるという。弁護士らによると、死刑囚は「『声が聞こえる』と言い、刑務員が自分の歯に盗聴器をしかけて、奴らの汚職を口封じさせ、キリスト教の伝道を阻止している」と言い張った。

パネティ死刑囚は、当初から裁判を受ける能力を疑問視されていた。裁判を受け自己を弁護する能力や処罰の理由やその意味を理解する能力があったのか、重大な疑問である。テキサス州が今後も法廷で死刑判決を下し続けるかどうかは別にしても、仮釈放委員会や州知事は、良識と慈悲、人権のために、この恥ずべき死刑執行を停止すべきだ。

アムネスティは、例外なくすべての死刑に反対する。今日では、世界140カ国が法的にまたは事実上死刑を廃止している。世界を見渡せば、2013年までの5年間に死刑を執行した国は、わずか10カ国であり、その1国が米国なのだ。1977年に極刑法が改定され死刑が復活して以来、全米で死刑が執行されてきたが、テキサス州の執行数は際立っており、全米のほぼ4割に達している。

アムネスティ国際ニュース
2014年11月28日

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