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マレーシア:テロ対策の新法、人権に痛打

2015年4月16日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:マレーシア
トピック:「テロとの闘い」における人権侵害

テロ容疑者を起訴、裁判または司法手続なしで無期限に拘束できる新法は、人権と法の支配に対する強烈な打撃である。

裁判なしの無期限拘束は人権法に反する。拘束したからといってテロの歯止めにはならない。司法手続も証拠もなく何年にもわたる容疑者を拘禁することは、あまりにも理不尽である。当局は人権と公正な裁判を尊重し、保障しなければならない。

新たに制定されたテロ防止法では、容疑者を起訴なしで59日間拘束することができる。その後、容疑者は新法のもとで新設される審議会にかけられ、審議会が国の治安を理由に個人を拘束またはその自由を制限する命令を承認する。審査会は司法権の管轄外にあり、拘束命令を無期限に延長する権限を持つ。その決定に対して不服申し立てはできない。委員は国王により任命される。

テロ防止法は、同じく裁判なしで無期限の拘束を認めていた国家治安法を思い起こさせる。2012年に廃止された国家治安法は、数十年も政府批判者を不法に拘束するために適用され、人びとに恐怖心を植え付けてきた。新法は公正な裁判と人権の尊重を確保する上で必要な保障条項に欠けているため、国家治安法と同じく乱用されかねない。

同法によってマレーシアは、一端飲み込まれてしまうと人権が保障されない「人権のブラックホール」ともいうべき世界に近づこうとしている。憲法がうたう公正な裁判や表現の自由、平和的集会の自由などの基本的権利が、国家治安の名のもとに著しく侵害されることになる。

現在政府は、植民地時代から続く扇動法の修正を検討している。修正案は、刑期を3年から最長7年に延長し、身体の障害や財産の損害を伴う扇動行為に対しては、最長20年とするものだ。また修正案には、起訴された者への保釈を却下できる内容も含まれている。

ここ数カ月、扇動法は、野党指導者、人権擁護家、活動家、ジャーナリスト、人権派弁護士などの政府批判者を恣意的に逮捕するために使われてきた。

政府はただちにテロ防止法および扇動法を撤廃し、平和的に意見を表明しただけで拘束されたすべての人びとを釈放しなければならない。

アムネスティ国際ニュース
2015年4月7日

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