パラグアイ:強かんされ妊娠した少女を救え 強まる国際的圧力

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2015年6月16日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:パラグアイ
トピック:性と生殖の権利

米州人権委員会は、10才で強かんされ妊娠したパラグアイの少女の人権を直ちに保護するよう要請した。同国政府に対しては、少女が中絶を含む医療措置をすぐに受けられるよう求める国際的圧力が強まっている。

世界中の専門家が、少女に対する当局の受け入れがたい仕打ちに強い怒りの声を上げてきたが、米州人権委員会もその一つになった。

委員会は国内外から出ている懸念に同調し、この少女の妊娠をこのまま放置することは短期的にも将来的に心身ともに多大なダメージを与えかねないという懸念を表明した。

また、「児童青年審査会」から依頼を受けた各分野の国内専門家で構成される委員会が、少女は出産後の大量出血などにより、成人女性に比べ4倍、生命へのリスクが高いと報告した。委員会はこの報告も考慮している。

専門家によるこのような判断にもかかわらず、当局は少女の人権を守る措置を取らなかった。

米州人権委員会による予防措置の要請は、国連を含む世界中の専門家の要請に呼応している。世界中の何十万という人びとも、少女に中絶の選択肢を与えることを求める嘆願書に署名している。

少女(身長139㎝、体重34kg)は栄養失調と貧血に悩まされていたが、義父とされる人物から強かんされ、今年はじめに妊娠した。著名な2つの女性権利団体から、予防措置の要請が出されていた。

少女の母親は昨年虐待を報告していたにも関わらず、性的暴行ほう助と保護義務を怠った罪に問われ拘束されている。

パラグアイ当局が中絶を認めないことは、少女の身の危険を高め、苦しみを長引かせるだけである。少女の中絶の権利を意図的に否定し続けることは、国際法上の犯罪である拷問に値する。

アムネステイ国際ニュース
2015年6月9日