カメルーン:子ども84人の不法拘束をやめよ

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2015年6月26日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:カメルーン
トピック:

カメルーン当局は84人の子ども(最年少は5歳)の6カ月に及ぶ不法拘束を直ちにやめるべきだ。子どもたちは、カメルーン最北部のコーラン学校の強制捜査で拘束された。

昨年12月20日、カメルーン治安部隊はギルヴィディグと呼ばれる町で複数の学校を急襲し、子ども84人と教師ら男性43人を逮捕した。子どもは3人を除いて15歳以下であり、47人が10歳以下だ。これらの学校は子どもたちをボコ・ハラムの兵士にするために使われていたと当局は主張している。

6カ月後、子どもたちは犯罪容疑で起訴されることもなく、北部の中心都市マルアの子ども施設に入れられている。地元当局からの支援はなく、ユニセフが施設にマットレスを支給し、世界食糧計画が食糧を提供しているが、それも今や底を尽きかけている。

子どもたちを拘束することは、ボコ・ハラムの脅威にさらされて生活しているカメルーンの人びとを保護することとは関係がない。政府は、ボコ・ハラムとの戦いで人権を尊重するとした自らの約束を守り、遅延なく子どもたちが家族と再会出来るよう彼らを解放するべきだ。

この1年、ナイジェリアのイスラム系武装集団ボコ・ハラムは隣国カメルーンでも大規模な襲撃を繰り返しており、大勢の市民が処刑され、誘拐されている。この事態を受け、カメルーンは最北部において、治安部隊を大々的に投入している。

アムネスティが集めた目撃証言によれば、治安部隊は家々に押し入り金品を押収し、住民に賄賂を要求しているという。逮捕された息子を釈放してもらうために治安部隊に金を渡している人たちを見たという人もおり、「その日、自分にはお金がなかったので、うちの子は連れて行かれた」と語った。

アムネスティの調査員は、拘束された子どもたちのことについて、直接多くの当局者に問いただした。その多くが子どもたちは脅威とはならないことは認めたが、子どもたちの解放や家族との再会の実現に手を貸そうとする者はなく、子どもたちは拘束されたまま放置されている。

アムネスティは、15歳未満の子どもたちを即時解放し家族のもとに戻し、15歳以上は、法で定める罪状で起訴されるのでなければ直ちに解放するよう求めている。カメルーンも加盟しているアフリカ人権憲章は、15歳を、犯罪責任を問う最低年齢としている。

アムネスティはまた、ギルヴィディグの大量逮捕とその後の拘束に関して独立した調査を開始し、その時逮捕された男性たちに対し公正な裁判と人道的な刑務所環境を確保するようカメルーン当局に求めている。

アムネスティ国際ニュース
2015年6月19日

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