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エジプト:若い世代に弾圧の嵐

2015年7月 3日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:エジプト
トピック:変革を求める中東・北アフリカ

エジプト当局は、今も活動家を激しく弾圧し、聡明で勇気ある若者を潰し、政権への脅威となる芽をつぼみのうちに摘み取ろうとしている。

モルシ元大統領の失脚から2年が経ち、変革を求めた集団での抗議運動は、集団逮捕に取って代わられた。当局は、エジプトの青年活動家を容赦なく抑圧し、若者世代の未来への希望を打ち砕いている。

2011年の暴動後、エジプトの若者たちは、軍指導者や同盟諸国から希望の星と称賛された。「パンと自由と社会正義」を求める彼らの理想と献身は、変革への重要な原動力となった。だが今日、こうした若い活動家の多くは獄中で苦しみにあえいでいる。この事態は、エジプトが抑圧に満ちた国に後戻りしてしまったことを象徴するものだ。同国の人権活動家の推定では、昨年の弾圧で、41,000人以上が逮捕、告発、起訴された。有罪判決を受けた人たちもいる。

現在獄中には、世界が称賛した青年運動のリーダーや人権活動家から、拷問反対と書かれたTシャツを着ていたために逮捕された子どもまで、さまざまな人たちがいる。

2013年11月に成立した「デモ規制法」は、当局が平和的なデモ参加者を自由に逮捕、起訴することを認めており、事前許可がなければ街頭活動そのものが禁止されている。また、 治安部隊がデモに対し過剰で殺傷力がある武器を自由に使うことも認めている。

2013年7月、モルシ元大統領とムスリム同胞団の最高幹部らの逮捕で始まった弾圧は、急速に政治的な運動全体に及んだ。著名なブロガー、批評家、人権擁護活動家が、集会の自由の権利を恣意的に制限するデモ規制法などの法令を無視した罪で投獄されている。

エジプトの活動グループによると、今年半ばには、立て続けに少なくとも160名が強制失踪同然に拘束された。ムスリム同胞団も、メンバーの逮捕を独自に発表している。

当局はしばしば、安定と治安の維持のため、という口実で強引な取り締まりを正当化してきた。デモ参加者の一部が暴力に訴えることがあるにせよ、治安部隊の対応は、いつも過度である。逮捕された人の多くは、いつの間にか容疑をでっち上げられて裁判官の前に引きずり出され、証拠なしでも、治安部隊の証言や当局の捜査だけでも、集団裁判で有罪判決を受けた。起訴も裁判もないまま、長期間拘束されている人たちもいる。

アムネスティは、エジプトの同盟諸国に、同国との会談の席で、人権問題をないがしろにしないよう要請している。エジプトに影響力を持つEU諸国のフランス、イタリア、ドイツなどの指導者は、アブドルファッターフ・アッ=シーシー大統領と会談している。その政権が数千人の政敵を投獄したにもかかわらず、会談では甚大な人権侵害をやめることが議題に上がった気配もない。失脚したモルシ元大統領が死刑を宣告された翌日、英国は、シーシー大統領に対し英国訪問を招請した事実を公表している。

米国は3月、エジプトへの武器輸出の凍結を解除し、軍と治安部隊に軍事面や安全保障面での支援を継続すると発表した。

エジプト同盟国の偽善は、巨額のビジネス、政治的影響力、情報活動、人権侵害を助長しうる警備用装備の販売や移転をめぐる競争を繰り広げる中で、露呈した。2011年2月、ムバラク政権が崩壊したとき、世界各国はエジプトの若者を支援すると約束した。しかし、約束は反故にされている。エジプトは活動家を投獄し、国際社会はそれに目をつぶっている。各国首脳陣も国連人権理事会も沈黙している。

当局は政治的な暴力事件の増加を理由に、厳しい取り締まりを正当化してきた。確かに、政府は武装グループの攻撃を受けている。当局の発表によれば、シナイ半島北部で治安部隊の数百人が殺され、多数の市民も犠牲になっている。アムネスティは、民間人への攻撃を強く非難する。しかし当局はこうした脅威を、人権を抑え込む口実にしてはならない。

アムネスティ国際ニュース
2015年6月30日

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