ハンガリー:家族から引き離される子どもたち

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2015年9月21日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ハンガリー
トピック:難民と移民

9月16日、セルビアとの国境フェンス沿いで難民と警察の小競り合いがあり、少なくとも子ども4人を含む9人が家族から引き離された。警察は、直ちに彼らを家族のもとに返すべきだ。引き離された人びとは、国境管理施設に留められていると思われる。

命からがら国境まで逃れてきた人びとは、警察の力の行使に加えて、家族と一緒にいる安心を奪われた。当局は、直ちに拘束されている人びとを家族の元に戻し、難民の不安を解消すべきである。

9月15日、セルビア側からハンガリーの国境に大勢が押し寄せて、国境のフェンスを壊してしまったため、ハンガリーは国境を閉鎖した。警察は、流入した難民に対し催涙スプレーで対応して、人びとはパニックに陥った。 逃げ惑う人もいれば、地面に倒れこむ女性や子どもらもいた。

目撃者がアムネスティに語ったところによると、警官が母子を捕まえて、2人を連れ去った。8才のこどもを持つ父親は、「子どもの手を握っていたのに、離れ離れになってしまった」とアムネスティに語った。 別の父親は、2人の子どもの行方を捜していた。 警察は、この父親や国連職員の背中を棍棒で突いて追い払っていた。

背景

9月15日、ハンガリーとの国境が閉鎖され、セルビア側では1,000人以上の難民が、国境ゲート前の高速道路に取り残されていた。警官が数人いるだけで、国連などの人道機関の関係者の姿もなく、ボランティアがたまに支援に訪れるだけだった。食糧や水はほとんどなく、情報はまったく届いてこなかった。

現地を訪れたアムネスティ調査員に、人びとは口々に不安と怒りをぶつけていた。状況の悪化で、さらに難民の数が膨れ上がる可能性がある。セルビア政府もEUもこのような事態になることは予測していたはずである。

アムネスティ国際ニュース
2015年9月16日