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オーストラリア:現金で難民追い返し 証拠が裏付ける当局の犯罪行為

2015年10月31日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:オーストラリア
トピック:難民と移民

アムネスティ・インターナショナルの調査で、オーストラリアが難民を乗せた船の船員に金銭を渡して行き先を変えさせ、難民を危険な状態にさらすという違法行為をしていた疑いが濃厚になった。

今年5月、オーストラリア国防軍の国境警備作戦に関わっている当局の人間が、子どもを含む65人の難民を乗せてニュージーランドに向かっていた船の船員6人に、32,000米ドルを支払った上で、難民をインドネシアに連れて行くように指示していた。その際、インドネシアの上陸場所を示す地図まで渡していた。

オーストラリアはこの数カ月間、庇護を求める人びとを拒否するために金銭を支払ったことを、繰り返し否定し、遭難している船を救助しただけだと主張している。しかし、アムネスティが庇護希望者や船員、インドネシア警察への聞き取りから得た証言は、政府の言い分とはまったく異なる。証言からは、船員に金銭を渡して具体的な上陸場所を指示し、人の密輸を命じたという越境犯罪を、国が犯していた様子が浮かび上がる。

インドネシアで警察に拘束されている船員は、船には何の問題もなく救難信号も出していないと言っている。船員6人はオーストラリアの役人から金をもらったと言い、庇護希望者も受け渡しを目撃したそうだ。船員を逮捕したインドネシア警察も、証言と一致する額の現金を所持していたと話す。100米ドルのピン札だったという。

ほとんどの難民は、入浴できると言われて海上警備の船に乗り移った。そしてそこで1週間ほど部屋に閉じ込められた。自分の持っていた薬を飲ませてもらえなかった人もいた。当局はその後、難民を2隻の小さな船に乗せ、船員にはインドネシアのロテ島に行くよう指示した。ところが1隻の船が途中で燃料切れになり、難民たちは海上でもう1隻の船に乗り移るという、危険を冒す羽目に陥った。

当局が介入して難民の行き先を変えさせ、燃料不足の船に乗せて難民の命を危険にさらしたのだ。それだけではない。当局の行為は、いわゆる難民の押し戻しに相当する。

また、7月に追い返された船の船員にも金銭を渡していた疑いが浮上している。

人の密輸は通常、国ではなく個人が関わる行為である。しかし今回は、オーストラリア当局が関与しただけでなく、具体的な指示まで与えていた。

これらのケースでは、海上警備隊と海軍が、大勢の難民に装備が不十分な船で危険な移動を強要した。庇護希望者への対応に関して、オーストラリアは無法国と化しつつあると言えよう。

アムネスティ国際ニュース
2015年10月28日

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