キプロス:シビルユニオン法可決 ようやく手にした勝利

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2015年12月 3日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:キプロス
トピック:性と生殖の権利

11月26日、キプロス議会はシビルユニオンの権利を認める法案を可決した。キプロスにおけるレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス(LGBTI)の人々に対する差別を根絶し、結婚における完全な平等を達成する上で重要な第一歩だ。

1998年に同性間の性的関係が非犯罪化されて以来、長い道のりであった。2年前に同性間のカップルに婚姻と類似の法的権利を認めることが公約になって以来、長い国民的議論の末にその法律が成立した。

キプロスのLTBTI活動家は、自分たちのパートナー関係の完全な法的権利への第一歩として、シビルユニオンの権利を求めて、何年も闘ってきた。それが遅れに遅れてやっと実現した。

「これはLGBTIの人びとだけでなく、社会から除け者にされてきたすべての集団にとって大事な一歩だ」と地元のLGBTIのNGO関係者は語っている。

しかし、婚姻と完全に同等の権利を享受するまでには、やるべきことが多い。また、性的指向や性自認を理由とした差別と闘うためにはさらに行動が必要だ。

LGBTIの人びとは今なお続く差別に直面している。たとえば、同性カップルが共同で養子縁組をする権利がない、トランスジェンダーの人びとが法的に認知されていない、インターセックスの人びとに対する「正常化」手術が禁止されていない、などだ。

「新法は、LGBTIだけでなく、もっといろいろな人たちの安心を意味している。キプロスは、いま前進しているというメッセージなんです」とレズビアン活動家(23才)は語る。「これからは、完全な結婚の平等と養子縁組の権利を目指して闘う必要があります。そしてまた、自身のアイデンティティさえ認められない、私たちのなかでも最も弱い立場のトランスジェンダーの人たちのためにも闘わなくては」

キプロスの動きは、シビルユニオンに関する同様の法案が近く採決されるギリシャで、人権活動家やLGBTIの人びとを大いに勇気づけるはずだ。

多くの欧州諸国は、完全な結婚の平等もしくは同性間のパートナーシップを支持している。

アムネスティ国際ニュース
2015年11月27日