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日本:国連安全保障理事会における日本の役割について 人権を中心に据えたアプローチを

2016年3月 4日
[公開書簡]
国・地域:日本
トピック:

2016年3月3日

外務大臣 岸田文雄 殿

公益社団法人 アムネスティ・インターナショナル日本
事務局長 若林 秀樹

 

昨年10月の国連総会における安保理非常任理事国選挙(任期2016-17年)での当選を受け,日本は本年1月1日より、11回目の非常任理事国となりました。

国連安保理の理事国となることは、国際平和や安全を脅かす状況下で、重大な人権侵害に取り組み、人権を保障することでリーダーシップを取る機会を与えられています。国際社会は現在、中東やアフリカにおける紛争と重大な人権侵害の発生、そして第二次世界大戦以来という未曾有の数の難民という問題に直面しています。日本は、今後2年間、これら問題に対応する重大な役割と責任を果たす機会を与えられたと言えるでしょう。

アムネスティ・インターナショナルは、日本を含む安全保障理事会の理事国が人権を中心に据えた方法に基づいてその役割と責任を果たすことを強く望み、以下の提言を日本政府にお送りします。

■ 危機的状況に対する人権に基づくアプローチ

近年、シリア、イエメン、中央アフリカ共和国、スーダン、南スーダン、コンゴ民主共和国、ブルンジ、アフガニスタンといった国々で深刻な人権侵害や国際人道法違反行為が報告されており、現在も起こり続けています。これらの行為の多くは、戦争犯罪や人道に対する罪を構成する可能性があります。各国の状況に合わせた個別具体的な取り組みが必要であるものの、そのすべてにおいて、安全保障理事会がとりわけ以下を保証することが要請されています。

  • 十分な権限(マンデート)を持ち、資金を投下した平和維持活動を通じて、市民が人権侵害から保護されること
  • 人道支援を必要とする人びとへのアクセスが保障されること
  • 人権侵害が非難され、これらに対する実効的な監視、調査、公式な報告がなされること
  • 女性・平和・安全保障(WPS)に関するアジェンダを履行するための具体的な手段が、政治および平和構築プロセスにおける女性の有意義かつ実効的な関与の保証、女性の人権擁護活動家の支援、紛争下の女性と少女への特定の影響と保護の必要への取組みなどによって講じられること
  • 国際法違反の犯罪やその他の人権侵害行為に対する説明責任を果たす手段を講じること。それらは、特定の事態を国際刑事裁判所(ICC)へ付託することやICCにすでに付託された事態に関する適切なフォローアップなどが含まれる。
  • 国際法上の犯罪に加担することに武器が使用される恐れのある状況において武器の移転を容認しないことを確保する手段が講じられること

■ 国際法上の犯罪行為が発生している状況下において拒否権行使による機能不全を阻止すること

常任理事国は、国際法上の犯罪が発生している状況に対応する安全保障理事会の能力を阻止するために、国連憲章によって与えられた拒否権を行使してきました。特にここ数年、理事会は平和や安全保障に対する責任を果たすことができていません。シリア危機は、拒否権発動による理事会の機能不全を如実に表す例と言えるでしょう。

アムネスティは、常任理事国が拒否権を行使する場合に、より説明責任を持たせるための新たなイニシアチブを支持します。

また、すべての国が、ジェノサイド(集団虐殺)、人道に対する罪、戦争犯罪を終わらせ、あるいは予防するための迅速で断固たる行動を取るための信頼に足る安保理決議案を支持するよう求めます。

常任理事国(P5)に対しては、国連憲章によって理事会に付与された権能を責任もって果たすために、人道に対する罪、戦争犯罪、ジェノサイドが発生している場合あるいはその明白な危険性のある状況において、拒否権行使を自制するよう要請します。

■ 国際刑事裁判所(ICC)の強化を支援する

2002年に常設の国際刑事裁判所(ICC)が設置されたことは、独立した機関がジェノサイド、人道に対する罪、戦争犯罪など、国際法上の最も重大な犯罪について調査、起訴することを可能にし、国際的な法による裁きへの重要な突破口を意味するものでした。

ICCが将来の人権侵害に対する抑止力として行動し、各国の検察官に人権侵害の加害者を裁くことを促し、犠牲者やその家族に正義をもたらすことによって、不処罰の連鎖を断ち切ることができます。各国は、ICCがそのための業務を遂行できること確保するために、ICCへの支援を再度、確認すべきです。

したがって、アムネスティは、安全保障理事会のすべての理事国に以下を要請します。

  • より強固な一貫性を定着させるためにICC付託に関する透明性の高い方針を確保すること
  • 安全保障理事会によるICC検察官へのいかなる付託においても、(ローマ規程を批准した国だけでなく)すべての国が同裁判所に十分に協力することを責務とするよう主張すること
  • ICCに協力することを表明し、また協力しない国を非難することで、ICCが機能するための強力な支援を促すこと
  • ICCによる調査や訴追を延期させようとする、安全保障理事会内部のいかなるイニシアチブに対しても、強く反対すること

■ 次期事務総長の選出・任命のための透明性の高い公正なプロセスの確立

総会は、2015年9月11日に画期的な決議(A/RES/69/321)を採択しました。同決議は、2016年の国連事務総長を選出するために、実績に基づく、オープンで透明性の高いプロセスを確保するための手続きを示しています。同決議は、「証明された指導力や管理上の能力、国際関係に関する広範な経験および強い外交上の、意志疎通のそして多言語の技能」など、事務総長を選出する基本的な基準を列挙しています。さらに、候補者の名前と履歴書を継続的に回覧し、候補者との非公式の対話や会議を行うことを要請しています。また、可能な限り最良の候補者が任命されることを強調すると同時に、女性の候補者を提案するように加盟国に勧めています。

アムネスティは、新常任理事国のメンバーに対して、決議A/RES/69/321および12月17日付の総会および安全保障理事会の各議長共同書簡に従って、新事務総長を選出することを保証するよう要請します。

以上

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