バーレーン:恣意的に国籍を奪われ国外追放になる市民が急増

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2016年3月11日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:バーレーン
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バーレーンでは、国に不都合な個人の国籍をはく奪し、国外追放という非常手段を講じる例が増加している。3月8日、2つの控訴審で争われている追放命令が支持されれば、11人が即時追放になる可能性がある。

2月には、2人が国を追われ、3月6日には、1人が翌日の国外退去を命じられた。今年に入ってこれで3件目だった。

当局が個人の国籍を恣意的に取り消し、国外追放するというケースが増えている。このように、近年、同国の人権をめぐる状況が悪化してきた。国にとって都合の悪い個人を追放し、異論を抑え込む手段として、あえてこの国外追放を選択しているように見える。

2014年にはわずか21件だった国籍はく奪件数が、2015年には208件と10倍に膨れ上がった。ここ数週間での国外追放の数の増加を見ると、今年はさらに急増することが懸念される。

昨年1月、市民72人が、政権交代を訴え友好国を中傷したなどの「違法行為」に関わったとして、内務省から国籍を剥奪された。その72人の1人である大学講師のマサウド・ジャロミさんの国外追放命令が、3月6日、裁判所に支持された。今後、即刻国外退去になる恐れがある。

3月8日、別の控訴審で、元国会議員、弁護士、人権擁護活動家や反対運動家ら10人の国外追放命令が争われる。他にも同様に追放命令を受け、裁判を待つ人が21人いる。

国籍をはく奪されると、パスポートと身分証明書を取り上げられ、外国人として居住許可を申請するか、国外退去しなくてはならない。居住許可を受けずに留まっていると不法滞在者となり国外退去命令を受ける。

法律を恣意的に解釈し市民の国籍を奪うのは、重大な国際人権法違反である。バーレーンの市民が無国籍者にされ、自国に住む権利を奪われていることは、許されるものではない。

近年国内法の改正で、国籍のはく奪可能な事由が拡大した。例えば、「王国への忠誠義務に反する行為」というのもある。また、事前の許可なく湾岸諸国以外の国籍を取得しても、国籍がはく奪される。

アムネスティ国際ニュース
2016年3月7日

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