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ブラジル:農民大虐殺から20年 いまだ続く暴力・裁かれぬ加害者

2016年4月18日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ブラジル
トピック:

ブラジルの軍警察が、農民を容赦なく虐殺してから20年、農村部での犯罪の加害者のほとんどが、依然として裁かれていない。昨年には農民50人が殺害され、この10余年で最悪であった。

1996年4月17日、パラ州の南東部で、農地を持たない農民19人が殺害された。エルドラド・ドス・カラジャスの大虐殺として知られるこの事件では、271人以上の農民とそのリーダーが殺害された。

事件は、「土地なし農民運動」メンバーのデモ行進で起きた。行く手に警官隊らが立ちふさがり、150人以上の警官が、ユニフォームから名札を外し、ライフル銃で武装し、デモ行進をする人たちを武力で制圧した。

この虐殺の加害者として有罪判決を受けたのは、作戦を命じた司令官2人が258年と158年の刑をそれぞれ受けたのみだった。 軍警察に殺害をそそのかした、あるいは、虐殺に同意した警察幹部や政治家らは、だれも責任を問われなかった。

アムネスティは、エルドラド・ドス・カラジャス虐殺における人権侵害を調査し、情報を分析した。犠牲者の検死で明らかになったことは、殺害された19人のうち10人は、至近距離から撃たれたり、農機具でめった切りにされていた。

「作戦中の警察官が、なぜ身に着けていた身分証を外したのか、警官と凶器を関連付ける文書がなぜ紛失したのかも、わかっていない」。パラ州マラバの土地司牧委員会(農業労働者問題に取り組むカトリック教会の中の組織)の弁護士、ホセ・バティスタ・ゴンサルベス・アフォンソさんは、そう語る。「なぜ、やるべき現場検証をしないまま遺体を移動したのか、誰も追及されていない」

農村の暴力と不処罰

エルドラド・ドス・カラジャス虐殺は、一過性の事件ではない。農民、先住民族、伝統的コミュニティー、彼らを支援する弁護士や人権擁護活動家などを標的にした人権侵害や不当な扱いが繰り返されており、虐殺事件はこうした行為の象徴となっている。

特に、アムネスティ・ブラジル支部は、レイサ・サントス・サンパイオさんの事件を調べた。レイサさんの姉妹と義理の兄弟は2011年5月、土地を占領し森林を破壊したと糾弾され、殺害された。それ以降、レイサさんは殺害の脅迫を受けている。

2015年の土地紛争に絡む殺人事件件数は、この12年間で最悪となった。土地司牧委員会の記録では、殺人は50件、脅迫144件、殺人未遂59件にのぼった。これらの事件の9割は、ロンドニア、パラ、マラニョンの3州に集中していた。

パラ州では、2014年までの40年間で、農民、指導者、宗教指導者、弁護士ら合計947人が殺害された。

農村の殺人事件が裁判になることはめったにない。加害者が有罪になることはさらにまれであり、有罪判決を受けた者が実際に刑に服することは、ほとんどないに等しい。不処罰や進まぬ農地改革、憲法が定める土地境界線の無視などがはびこり、基本的人権が侵害されやすい土壌を作ってきた。

※土地なし農民運動
農村の貧困者を組織化し、権利意識を高め、変革のための行動を促す社会運動。憲法の「すべての土地は生産活動に利用されなければならない」を法的根拠に、耕作されていない大農地を占拠し、土地なし農民に再分配するほか、生産協同組合をつくったり、教育・ジェンダー・環境・健康など、生活全般の向上を図っている。背景には大土地所有制による土地の不平等分配が今も解消されていないことがある。

アムネスティ国際ニュース
2016年4月15日

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