バングラデシュ:相次ぐ惨殺事件 加害者が野放しに

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2016年4月28日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:バングラデシュ
トピック:性的指向と性自認

4月25日、同国初のLGBTI(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス)雑誌「ループバーン」の編集者(35才)とその友人が、自宅のアパートで襲われ、惨殺された。

4月だけでも活動家など4人が殺害されている。今回の事件の数日前にも大学教授がめった切りにされて殺された。驚くべきは、当局は惨殺の容疑者は誰ひとりとして捕まえず、脅威を受けている市民をまったく保護する姿勢がないことだ。その結果、事件が多発している。

狙われているのは自分の意見を主張する人びとで、当局は彼らの保護に全力を注ぐとともに、殺人者を裁くべきだ。

バングラデシュの刑法では、同性愛の関係は犯罪となる。アムネスティは国外に逃れている複数のLGBTI活動家に聞き取りをした。彼らの話では、脅迫を受けていることを警察に届け出ると、「自然の摂理に反する犯罪に問うこともできるぞ」と言われたという。

暴力犯罪の加害者が野放しになっているなか、大学教授やLGBTIの活動家が狙われるようになっている。

4月7日、覆面をした男4人が、学生活動家(28才)を鉈で襲った上、銃殺した。ソーシャルメディアで、世俗主義を求める運動を呼びかけていたその学生活動家は、2013年にイスラム過激派グループが公開した殺害予定者84人の中に入っていた。

4月23日、大学教授(58才)が鉈を持った男たちに襲われた。自称イスラム国に所属するジハード主義者らが、犯行声明を出した。

昨年1年間では、世俗派のブロガー5人が、鉈の犠牲になっている。

この種の襲撃が初めて起きたのは、2013年だった。2015年2月から散発するこうした犯行で、捕まった殺人者はいない。

LGBTIを犯罪とする当局の姿勢は変わっていない。当局は、加害者に自制を呼びかけるだけで、保護策は取っていない。そのため、LGBTI活動家の多くは、他国へ逃れることを余儀なくされている。

アムネスティ国際ニュース
2016年4月25日

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