チャド:大統領選の失踪事件を捜査せよ

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2016年5月10日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:チャド
トピック:

チャドで軍と治安部隊の隊員が大統領選で野党候補に投票後、失踪する事件が発生した。アムネスティ・インターナショナルとチャド人権連盟は、当局に対しこの事件に関する真相を究明するとともに、他の隊員が受けた虐待に対し独立した捜査をするよう求める。

報道によると、4月9日の大統領選後、軍や治安部隊の隊員40人以上が行方不明になった。アムネスティとチャド人権連盟は、強制失踪が疑われる人たちのうち、20人以上の個別状況を確認した。これに対し当局は、いずれの隊員も現在、任務遂行中だとのコメントを発表した。

4月21日には、国営テレビ番組に、生存を示す根拠として、4名の隊員を登場させた。しかし家族は、彼らが今どこにいていつ戻ってくるのかも一切知らされず、本人からの連絡もないままである。

家族は、何も言わずに任務に出かけるのはあまりに不自然だと訴えている。同僚たちも、そのような任務があることを知らなかった。

アムネスティとチャド人権連盟は、4月9日に逮捕され、暴行を受け、拘禁されたと述べている複数の隊員に面会した。また、強制失踪させられているという兵士の家族20人ほどと会い、失踪するまでの状況を聞いた。

こうした情報によれば、少なくとも2カ所の投票所で、上官が隊員たちに公然と与党候補への投票を強要していた。命令に従わなければ、公衆の面前で暴行を受けたり、数時間小部屋に拘禁されたりしたという。

強制失踪に加え、拘禁もあった。ある隊員は、わずか4×5メートルの小部屋に約40人が押し込められ、19時間も拘禁されたと話した。

追加情報

一般の人が投票する大統領選挙は4月10日だが、軍や治安部員の投票は前日4月9日にあった。4月21日に発表された投票結果では、現職のイドリス・デビ大統領が61.56%の票を獲得し、続投が決まった。野党と市民団体は、今回の選挙、特に4月9日には、おびただしい数の不正があったとして、選挙の無効を申し立てた。

アムネスティ国際ニュース
2016年4月29日

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