ケニア:警察のデモ弾圧の捜査を

  1. ホーム
  2. ニュースリリース
  3. 国際事務局発表ニュース
  4. ケニア:警察のデモ弾圧の捜査を
2016年5月26日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ケニア
トピック:

ケニアで5月17日、警察がデモ参加者に対して、激しい弾圧を加えた。当局は、この弾圧の公平な捜査を早急に実施すべきである。

警察は、大部分が平和的なデモの参加者に対し、警棒で殴りつけ、催涙ガスを発射し、放水など、力で応じた。ソーシャルメディアに掲載された動画には、道端に倒れているデモの参加者を、警官3人が蹴り、殴る様子が映っていた。複数の報道によると、この参加者は、この時の負傷が原因で後に死亡した。

昨日、警察がデモの参加者を残虐な方法で殴打したことは、恣意的で不正な武力行使に当たり、ケニアの国内法と国際法に違反する。

警察を監督する第三者機関は、このようなあからさまな人権侵害に対する徹底した捜査を速やかに実施すべきだ。勝手な武力の乱用が疑われる警官は、その指揮責任者も含め、公正な司法手続きのうえ起訴されるべきだ。警察には過剰な力を行使したことについて説明する責任があることを明確にし、このような違反行使は、一切許されないという強いメッセージを送ることが不可欠である。

今回のデモは、ライラ・オディンガ前首相が率いる野党改革民主連合により組織された。オディンガ氏は、選挙監視委員会の委員が解任されるまで、毎週月曜日に委員会の本部の外でデモを行うと明言していた。改革民主連合側は、委員は与党のジュビリー連合寄りだと非難しているが、委員はこれを否定している。

警察には、平和的な市民の集会を支援する義務があり、平和的な集会、結社、表現の自由の権利を享受することを妨げてはならない。

背景

ケニアの憲法は、平和的な集会の自由に対する権利を保障している。憲法第37条は、「全ての個人は、平和的で非武装の集会を行う権利、またデモを行い、ピケを張り、国の諸機関に対して請願書を提出する権利を有している」と定めている。

2011年に制定された警察の公務執行に関する法律は、警官は、非暴力的な手段により職務を遂行すべきだと定めている。やむを得ず武力を使用する場合は、武力の行使が必要不可欠であり、かつその武力行使が、武力行使の目的、犯罪の深刻さ、武力を行使する相手の抵抗の度合いに見合ったものである必要があるとしている。

警察による武力行使に関する国際法および国際基準は、警察によるあらゆる武力行使は、必要最小限にとどめられるべきであり、警察により遂行される職務の内容に見合ったものでなければならず、また警察による恣意的で不正な武力行使は、刑事犯罪として扱われるべきであると明記している。

アムネスティ国際ニュース
2016年5月17日

関連ニュースリリース