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ドイツ:憎悪犯罪の増加への対策が不十分

2016年6月15日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ドイツ
トピック:難民と移民

ドイツでは、難民施設にいる庇護希望者の襲撃など憎悪犯罪が急増している事態に、当局の対応は極めて不十分だ。少数者に対する保護策を早急に強化するとともに、法執行機関に偏見がないかどうか中立的な捜査を開始する必要がある。アムネスティ・インターナショナルは6月9日、公表した調査報告書の中で明らかにした。

難民施設に対する犯罪が2013年の63件から昨年は16倍の1,031件に急増した。差別的動機にもとづく暴力の対象を人種・民族・宗教の少数者に拡大すると、その総数は、2013年の693件から昨年は1,295件に、87パーセントの増加を見せた。

これまでもずっと指摘されてきた法執行機関の対応の仕方そのものを見直す必要がある。

連邦および各州当局は、難民施設への襲撃を未然に防止するため、施設別に襲撃を受ける可能性を調査し、可能性が高い施設の優先的保護を即刻実施しなければならない。

ドイツの世論はヨーロッパでも難民の受け入れに特に好意的である一方、昨年は年間通して実に毎週6件もの難民反対デモがあった。襲撃された庇護希望者や難民、その知人らは、「今は恐怖の中に暮らしており、もはや安全な気がしない」とアムネスティに語っていた。

組織ぐるみの人種差別を阻め

当局が人種差別犯罪の捜査や起訴、処罰に怠慢であることは、昨年ドイツに入国する難民・庇護希望者が約百万人に達する以前から、長い間懸念されていた。

この問題が際立ったのは、極右グループ「国家社会主義地下組織(NSU)」が2000年から2007年の間に起こした連続殺人事件の捜査があまりにお粗末であったことだ。

この間、トルコ系移民の男性8人、ギリシャ系移民男性1人、警察官1人が殺害された。警察は、それぞれの捜査のたびに、事件の背景に人種差別的動機があることを示す手がかりを見逃し、追跡しなかった。一方で犠牲者家族は「警察に不当に扱われた」と感じていた。

その後、一連のNSU捜査が検証され、数々の改善勧告がなされ、法執行当局はそれらの勧告を実施に移した。しかし、当局は、警察内部に人種差別があるのではないかという疑問には正面から取り組んでこなかった。

また、捜査の不手際のもう一つの要因は、憎悪犯罪など社会的犯罪に関する情報を分類・収集する制度があまりに煩雑であることだ。その結果、この種の犯罪を人種差別犯罪と認定し取り扱ううえで、敷居が非常に高くなっている。どのような犯罪でも、被害者や関係者が人種差別的動機があると受け止めた場合は、警察は憎悪犯罪として対応すべきである。

法執行当局は、事なかれ主義を排し、組織の体質に厳しい目を向ける時である。即刻、公正な捜査を行い、NSU殺人事件の捜査を再検証し、お粗末な捜査と組織内の人種差別の因果関係を明らかにすべきである。

アムネスティ国際ニュース
2016年6月9日

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