ザンビア:総選挙を前に新聞社を閉鎖

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2016年6月30日
[国際事務局発表ニュース]
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ザンビア当局は6月21日、独立系のポスト新聞社の閉鎖を決定した。この決定は、選挙を前にメディアを封じ込める明らかな言論統制だった。

新聞社の閉鎖命令とともに、滞納しているとして税金610万米ドルの支払いを要求した。これに対し新聞社は、当局は政府に批判的な新聞を標的に恣意的に法を適用していると抗議した。

ポスト社の閉鎖は、同紙が主張するように、批判的メディアへの弾圧であることは明らかであり、憂慮すべき事態だ。報道の自由に対する挑戦である。当局は直ちにこの決定を撤回するべきだ。

税金を滞納しているのであれば、回収に必要な対応を取ればいいだけだ。閉鎖は表現の自由の権利に対する脅威だ。

8月11日実施の総選挙で選挙キャンペーンたけなわのさなかでの閉鎖決定だった。ポスト紙は、政府の政策に対し率直に意見を言う数少ない独立系新聞の一つだ。

メディアの弾圧は論外であり、特に選挙期間中は、説明責任とチェックアンドバランス機能をしっかり果たすよう、新聞社に働きかけるべきだ。

政府は報道の自由を侵害するのではなく、新聞の独立性と多様性を求めるべきだ。

背景情報

2015年7月15日、警察はポスト紙が3月に掲載した記事を理由に、同紙の社主と記者1人を逮捕した。記事は、大統領補佐官に対する反腐敗委員会の調査を取り上げていた。同補佐官は、大統領との面会を求めた中国系ビジネスマンに賄賂を要求したということだった。

ポスト紙は、同委員会が大統領に宛てた調査に関する書簡を公表した。5月、大統領補佐官は、この情報漏えいを警察に通報し、社主らは警察に出頭を命じられた。

7月15日、2人は逮捕され、機密情報漏えい容疑で起訴された。その後、1人3000米ドル以上の保釈金を払って、保釈された。

アムネスティ国際ニュース
2016年6月22日