ケニア:国による強制失踪と殺人の調査を

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2016年9月 5日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ケニア
トピック:

超法規的処刑と強制失踪の犯罪容疑者を調査し裁判にかけるため、ケニア政府は調査委員会を立ち上げるべきだ。国際失踪者デーの8月30日、ケニア国内外13の人権団体がこのように声明を出した。

人権団体の調査によると、2009年以降、治安当局による拘束中に300人以上が消息不明になっている。そのうちの数人は、その後殺害されていることが分かった。

ケニアのNGOインデペンデント・メディコリーガル・ユニット(IMLU)のピーター・キアマ事務局長は、「強制失踪はいたるところに発生しており、法執行機関の評判を落としている。その汚名をそそぐには、容疑者を公正に裁くしかない」と述べた。

「しかし、公正な裁判は、迅速で公平かつ実効性のある捜査なくしてはありえない」

今月、ナイロビの高等裁判所によると、人権弁護士1人を含む3人が、強制失踪の犠牲になっていたが、のちに警察の手で処刑されていたことが分かった。3人は、国際法務ミッションのウィリー・キマニさん、依頼人のジョスファット・ムワンドワさん、タクシー運転手のジョセフ・ムイルリさんで、この7月、ナイロビ北西約73㎞の河川で遺体が発見された。

強制失踪の多くは、ソマリアに拠点を置くイスラム武装グループ、アル・シャバブのメンバーかその支持者とみなされた人物に対する作戦の中で発生している。

人権擁護活動家国民連合のカマウ・ヌグギ事務局長は「アル・シャバブが、軍事的脅威になっていることは事実だが、国際法上の犯罪や人権侵害となる行為に訴えてはならない」と述べた。

「そうではなく、治安維持においても、常に人権と適正な手続きの順守を求めるべきだ。手始めとして、強制失踪と殺人があったことを知りながら、手立てを講じなかった警察官とその上司の刑事上の責任を問わなければならない」

ケニアは強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約に署名しているが、いまだに批准していない。強制失踪は国際法上の犯罪である。この犯罪が決して不処罰で終わることのないよう、ケニアは無条件で批准に向けた具体的な手続きを取るべきだ。

8月30日、複数の団体が、強制失踪の被害者を追悼し、彼らのための正義、真実、償いを求める公開イベントを、ストラスモア大学の大講堂で開催した。

アムネスティ国際ニュース
2016年8月30日

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