G20サミット 難民問題の責任分担呼びかけは偽善的

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2016年9月 9日
[国際事務局発表ニュース]
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トピック:難民と移民

難民問題への対応に、より大きな責任分担を求めるG20杭州サミット宣言は、20カ国のほとんどが、これまでいかに何もしてこなかったかを露呈している。

継続的に難民を再定住させる政策を取る国は、世界で27カ国だ。G20構成国では、9カ国にすぎない。G20の中で、カナダだけがその政策を誠実に実施し、2015年後半からシリア難民25,000人を受け入れ、さらに多くの受け入れを表明している。100万人以上を受け入れてきたドイツの強力な対応は、他の構成国とは比較にならない。

そんな中で、「責任を分担すべきだ」との宣言は、あまりに空しい。G20諸国の多くがこれまで負うべき責任を負ってこなかったため、9月末の国連総会で多くの成果を期待できないことは明らかだからだ。継続的に難民を受け入れている構成国は、半数にも満たない。

目下のところ、G20構成国の多くが、責任分担案をあからさまに拒否している。偏狭な国益を優先する欧州連合、ロシア、中国は、国連の協議で難民危機の打開策を拒否する悪役に居座ることを決めた。G20の中には、表と裏で違うことを言っている国があるように思える。

G20諸国は、今回の宣言が無神経な偽善だとみられる前に、もっと難民支援に取り組む必要がある。

アムネスティ国際ニュース
2016年9月5日