ミャンマー(ビルマ):国連はビルマに人権尊重の圧力を

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2016年9月21日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ミャンマー(ビルマ)
トピック:

ビルマ(ミャンマー)のアウンサンスーチー国家顧問が訪米し、バラク・オバマ大統領と会談し、国連総会に出席する。国際社会は人権状況の改善に向けて、同国政府に圧力をかけ続けなければならない。

文民による新政権が発足してから6カ月が経過した。新政権はこれまでに、人権問題にいくつかの取り組みをしてきたが、現在も半世紀に渡る軍事政権が残した負の遺産に直面している。

今も続く紛争、ロヒンギャが抱える窮状、立ち退きを強いられた地域住民の人道支援、人権侵害加害者の処罰、ヘイトスピーチの抑止、抑圧的法律の改正などでは、改善はほとんど進んでいない。

軍支配の暗い時代から徐々に抜け出すにしたがって、心強い変化もあった。しかし、かつての目を覆いたくなる人権侵害の流れを立ち切るには、やるべきことが多い。

過去四半世紀近く、国連総会は同国の人権問題に関する決議を採択してきた。今年の採択も重要である。これまでの成果を、不完全なまま放置、あるいは後退させるのではなく、強化し、変化を積み上げなければならない。

アウンサンスーチー国家顧問が率いる表面上は文民の新政権は、同氏が党首を務める国民民主連盟(NLD)が昨年の総選挙で一大勝利を収め、この3月に発足した。発足して間もなく、困難を極める一連の人権問題に直面した。

NLD政権は、これらの問題に取り組むにあたり、軍部の強い制限を受けている。軍部は依然として主要省庁を牛耳り、議会の4分の1の議席で憲法改正を阻止できるからだ。

人権問題に対する国連決議の重要性は、これまでの決議でなされた勧告がいずれも十分に実施されてこなかったという事実でもわかる。

もし、国連決議を取り下げるとすれば、同国の人権状況を客観的に把握した上でのことであり、政治的な判断に左右されてはならない。現実を見れば、国際的な圧力の緩和は時期尚早であることは明らかである。

背景情報

過去24年間、欧州連合(EU)は、国連でビルマの人権問題に取り組む決議を提案してきた。決議は、同国への大きな圧力となってきた。

そのEUが、時期尚早ながら、これまでの取り組みをやめる可能性が出てきた。アムネスティなどの団体は、同国の人権状況の改善への圧力をかけ続けるために、今年も決議の採択を各国に呼びかけている。

昨年の決議での勧告は、まだ十分実施されていない。

アムネスティ国際ニュース
2016年9月14日

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