マリ:国際刑事裁判所はマリ内戦の戦争犯罪全般の捜査を

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2016年10月 3日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:マリ
トピック:地域紛争

国際刑事裁判所(ICC)は9月27日、武装グループ、アンサール・ディーンの幹部アフマド・アル・ファキ・アル・マハディ被告に実刑9年を言い渡した。この判決は、2012年の紛争時の犯罪全般の裁判に道を開くきっかけとなるべきだ。

罪状は、2012年6月から7月にかけて、トンブクトゥの北部の宗教建築や歴史記念物の破壊の指示だった。被告は、法廷で罪を認めた。

判決は、宗教的、歴史的建造物の破壊は、文化とアイデンティティの破壊であり、国際法の犯罪に当たることを明確にした。

歓迎すべき進展だが、当時の内戦では、市民数百人の殺害や拷問、強かんなどさまざまな犯罪が行われた。ICCは、紛争当事者が犯したすべての犯罪を捜査すべきだ。

ICCは予備調査で、2012年以降に殺人、強かん、拷問などの戦争犯罪があったことを示す証拠を得たにもかかわらず、逮捕状を発行していない。マリ国内の努力では、これらの犯罪を裁くには限界がある。

アムネスティが極めて重要だと考えることは、ICCの検察官事務所、マリの司法当局、国際社会が一体となり、政府軍が関与する事件も含め、国際法に違反するすべての犯罪の罪を問うということだ。

背景

マリ政府は2012年7月、ICCに事態を付託した。ICCは2013年1月、2012年以降の戦争犯罪に絞り捜査を開始した。

昨年9月18日、アル・マハディ被告の逮捕状を発行し、ニジェールで逮捕、9月26日にハーグに移送した。今年3月24日、予審裁判部で容疑が固まった。裁判は8月22日に始まり、8人の被害者が証言に立った。

これは、ICC初の有罪答弁だった。被告は司法取引で、刑期が9年から11年までなら、上告しないことに同意した。

マリ当局は、2012年の紛争以降、重大な犯罪を捜査し訴追する努力をあまりしてこなかった。そのうえ、2015年、当局は少なくとも200人の収監者を釈放した。その中には、内戦時の国際法違反の犯罪の疑惑がある容疑者もいた。

和平合意では国際的な調査委員会を設立して、戦争犯罪、人道に対する罪、集団殺りく、性暴力などの国際法下の犯罪を捜査することになっている。しかし、いまだに設立には至っていない。

アムネスティ国際ニュース
2016年9月27日

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