インド:新聞社を閉鎖 言論の自由が後退

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2016年10月 8日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:インド
トピック:

北部ジャム・カシミール州当局は10月2日、州都スリナガルの英文日刊紙「カシミール・リーダー」に同紙の発行を停止する命令を出した。同州は、直ちにこの命令を撤回しなければならない。

スリナガルの地区判事が承認し、公示した命令によれば、新聞の記事には暴力的行動を引き起こし平和と安定を乱す内容が含まれているとされている。

同紙はこの数カ月、カシミールで発生する衝突や治安部隊の人権侵害を記事にしてきた。カシミール編集者組合は、今回の命令は民主主義精神と言論の自由に対する挑戦だと批判した。

命令文には、どの記事が暴力の扇動に当たるのか明記していない。命令の根拠があいまいであるため、報道行為そのものが狙い撃ちされたと思われる。

人権侵害の報道では、メディアが重要な役割を果たしている。政府は報道の自由を尊重し、市民が情報を入手する権利を尊重する義務がある。政策に批判的だというだけでは、新聞社の活動を停止させることはできない。

国際人権法によれば、公的秩序を理由に表現の自由を制限する場合、その必要性が示され、目的とのバランスがとれたものでなければならない。

自由権規約委員会は、「公的、政治的問題で、市民・立候補者・当選者が意見や情報を自由に交換することは、最も大事なことだ」と述べた。メディアが検閲や規制を受けることなく社会問題を論じ、市民の意見を報じることができると暗に示すものだ。

同州は、7月にも曖昧な理由で地元紙に3日間の発行停止命令を出していた。

アムネスティ国際ニュース
2016年10月4日

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