インドネシア:薬物による去勢をやめよ

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2016年10月20日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:インドネシア
トピック:

インドネシア当局は、性犯罪者に対し薬物による去勢、さらには死刑による刑罰を認める法律を即刻廃止すべきだ。

子どもに対する性暴力ほどおぞましいものはない。しかし、そんな性犯罪者に対し、国による強制的な薬物での去勢や処刑は、正義とは言えない。単なる残酷行為の上塗りだ。

化学的去勢とは、薬やホルモンの投与で性欲を抑える。本人の同意なく刑罰としてこれらの処置を行うことは、残酷、非人間的かつ品位を傷つける行為だ。強制的な化学的去勢は、拷問などの残酷行為を禁じる国際法に違反する。

死刑の適用範囲の拡大は、生きる権利を尊重するというインドネシアの国際的義務に反する。さらに、同国の司法制度には重大な欠陥があり、無実の人が処刑される可能性も無視できない。

インドネシア医師会は、刑罰としての去勢処置は医療倫理に反するとして、投与を拒否すると言っている。
アムネスティは、犯罪の重さや死刑執行の方法にかかわらず、いかなる死刑にも反対し、また死刑が犯罪を抑止するという確たる根拠はないと考える。

背景情報

インドネシアの国民議会は10月12日、児童保護のための現法律に代わる新法を承認した。背景には、子どもが犠牲になる性犯罪事件が連続し、国会議員らからこれらの犯罪により重い刑罰を求める声が上がっていた。新法はウィドド大統領が5月に発令した。

今回の改正法は、「18才未満の子どもに暴力または脅しにより、自らあるいは他の人物との性交を強制し、複数の犠牲者に、重傷、精神疾患、感染症、生殖機能不全、あるいは死をもたらした者」に対し、追加刑として化学的去勢の強制を認めている。また、化学的去勢は刑期を終えた後2年間行われる。18才未満の受刑者には適用されない。

アムネスティ国際ニュース
2016年10月13日

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