ハンガリー:難民をコンテナ収容へ 新たな愚策

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2017年2月16日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ハンガリー
トピック:難民と移民

ハンガリー政府は、すべての難民を国境近くのコンテナ・キャンプに収容するという計画を発表した。これは、すでに社会的弱者である難民をさらに劣悪な環境に置く愚行である。

政府はこの案を議会に提出し、審議のうえで、数週間内の成立をもくろんでいる。コンテナ収容は、EUの法律と難民条約に明らかに違反する。

難民としての保護を求める人びとをひとまとめにして、何カ月間もコンテナに閉じ込めることは、難民の処遇として最低だ。

この措置が実施されると、難民は全員、セルビアとの国境近くの「通過地帯」にあるコンテナ・キャンプに移送され、難民認定申請の手続きの間、このコンテナに収容される。また審査は直接の面談ではなく、テレビ会議を通して行なわれる。

保護を求める人びとを閉じ込めるために多数の法律を改正することで、ハンガリー政府は、彼らがすでに受けている苦痛をさらに増幅させ、トラウマを負わせることになる。政府は、保護を求めるすべての人を拘束することが、理にかない、必要で、相応のことであることを証明できるわけがない。拘束は常に最後の手段であり、今回のような拙速な対応を取るべきものではない。

ハンガリーが欧州法と国際法に著しく違反することに対し、EUは強い態度で臨む必要がある。

背景情報

現在、難民としての保護を求める人びとは、ハンガリーとセルビア国境沿いの、いわゆる「通過地帯」に、4週間以上拘束されることはない。その後、彼らは国内に受け入れられることになっている。協議中の修正案では、この期間制限を外し、難民申請手続き中は終始、拘束されることになる。

セルビアとの国境に設置された「通過地帯」へ、NGOや人権監視団が入ることは、厳しく制限されてきた。

アムネスティ国際ニュース
2017年2月10日