バーレーン:民衆蜂起から6年 続く抑圧

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2017年2月22日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:バーレーン
トピック:変革を求める中東・北アフリカ

2月14日、バーレーンでは2011年の民衆蜂起6周年を迎えた。政府は、6年間にわたって改革と人権擁護義務の遵守に向けて意義ある施策を進めてきたと主張している。しかし、ここ数週間を見ただけでも、恣意的な逮捕や拷問などきわめて憂慮すべき人権侵害が繰り返されている。そうした行為を罪に問わない風潮が事態を悪化させている。

2017年の最初の2カ月だけでも、治安勢力による恣意的かつ過激な実力行使が驚くほど増大しており、また2011年の蜂起以来初めて死刑執行が行われた。当局は治安部隊の活動を抑制し、平和的な集会、結社、表現の自由を尊重し、死刑執行を中止すべきだ。さもないと人権状況は全面的な危機に瀕するだろう。

1月1日にジャウ刑務所から逃走した囚人3人が、2月9日、沿岸警備部隊により殺害されるという事件があった。彼らを弔う宗教儀式の挙行を当局が禁じたため、2月12日夜、数カ所の村から何百という市民が路上で抗議行動を行った。バーレーンのシーア派宗教指導者が大規模の抗議集会を呼び掛け、平和的に抗議していた人びともいたが、一部は過激化した。

アムネスティ・インターナショナルが入手した情報や写真によると、参加者は散弾で背中や耳、足や脚などに怪我をしている。シトラでは大型装甲車が抗議する市民に向かって進み、身の丈ほどの高さで催涙ガスを発射し、怪我をさせている様子が撮影されている。その後、装甲車には爆弾が投下され、あるグループが犯行声明を出した。当局はこの攻撃について公にコメントしていない。

また、7年近く処分が中断されていた3人の男性が、甚だしく不公正な裁判の後、2017年1月15日に処刑された。これに対して全国20カ所の集落で抗議行動が発生し、その多くは過激化したため、政府の装甲車が抗議する市民に突進し、危うく轢き殺しそうになったり、政府軍が催涙ガスや散弾銃で彼らを直撃したりする事態になった。

その後も緊張は高まり続けており、1月15日以降大勢が逮捕されたが、そのなかには処刑された3人のうちの一人の兄弟も含まれていた。彼は葬儀の直後に逮捕され、国王侮辱罪に問われたが、翌日釈放された。

場合によっては抗議する側も、火炎瓶を投げたりタイヤを燃やすなどで治安部隊に暴力を加え、少なくとも2人の警官が負傷した。内務省によると、死亡した警官も2人いるという。

1月29日にはさらに多くの抗議行動が起こり、野党アル=ウィファーク党の宗教指導者シーク・イサ・カシームさんの裁判を翌日に控えて、数千人が平和的な抗議行動に参加した。

政府はその主張にもかかわらず、過去6年間、メディアへの恣意的制約を強め、首都マナーマでの抗議を禁止し、意見を表明した人々を収監するなど表現の自由を抑圧してきた。

アムネスティ国際ニュース
2017年2月14日

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