国連の難民保護 消極的な世界の首脳

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2018年7月28日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:
トピック:難民と移民

国連加盟国は、「難民に関するグローバル・コンパクト(協定)」の最終案に合意し、発表した。

今回の国連の難民保護の国際的行動計画であるグローバル・コンパクトは、難民の取り扱いをめぐる各国政府の対応を大きく変える野心的な取り組みのはずだった。嘆かわしいことに、各国は、今こそ必要とされる大胆な解決策を打ち出すほどには、乗り気ではなかった。

今回の合意は、単に富める国が、責任を分かち合う方策の選択肢から任意に選ぶという、現行の取り組みを維持したに過ぎず、これではいずれ破たんする。これでは、多くの難民が経済力で劣り、満足な支援ができないか、その意思がない国で苦悩するだけである。

この行動計画には、責任分担のすぐれた具体策が提案されているが、各国にそれを実現する意思があるのかは不明だ。この発表後まもなく、多くの国は、難民を保護し、責任を分担するというグローバル・コンパクトが打ち出した狙いを無視する行動に走った。

外交官たちがグローバル・コンパクトを協議している最中、ヨーロッパ諸国は、海で立ち往生していた難民を救助するNGOを非難する一方、難民の上陸阻止や拘束に向けた計画を密かに立てていた。また、オーストラリアは依然として、難民をマヌス島とナウルで過酷な状況に留め置いていることを正当化した。

かつてないほどに必要なことは、国際的な責任分担(決して「責任回避の分担」ではない)と人権、温情にもとづく、難民のニーズに応える対応である。

アムネスティ国際ニュース
2018年7月24日