バングラデシュ:写真家を釈放しデモ弾圧を止めよ

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2018年8月11日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:バングラデシュ
トピック:

バングラデシュ当局は、国際的に知られる写真家で社会活動家のシャヒダル・アラムさんを、即時かつ無条件に釈放すべきである。アラムさんは8月5日、ダッカで拡大する学生のデモについて、アルジャジーラのインタビューに応じたことがきっかけで拘束された。

デモは、前月に起きたバスの事故を受け、交通の安全対策を求めるもので、学生数千人が参加していた。この事故では、制限速度を超えたバスが大学前のバス停にいた学生の一段に突っ込み、2人が死亡、13人が負傷した。

警察は、学生の抗議デモに対して、ゴム弾や催涙ガスなど武器を用い、少なくとも学生115人が負傷した。学生たちは、政府を支持するデモ反対派の自警団からも襲撃を受けた。

当局は、アラムさんを即時かつ無条件に釈放するべきだ。メディアにコメントしただけで拘束するのは、あまりに不当だ。

学生には、平和的な集会の権利と身の安全を確保する権利があるが、警察や自警団にこれらの権利が踏みにじられた。警察の武力によるデモの鎮圧、さらに自警団の暴力を止めなかった警察の対応に対して、迅速で実効性のある捜査が求められる。

アラムさんは、これまでのところ起訴されていないが、今後、厳罰な処罰が伴う情報通信技術法違反で起訴されるおそれがある。この法は、表現の自由の権利を保障する国際的な法基準に反している。

また、国際人権法および国際基準では、警察など法執行官は、いかに最小限の武力であってもその行使の前に、非暴力の対応が義務付けられている。

今回のデモ鎮圧には、警察だけでなく自警団が加わったことで、反政府デモの取り締まりがさらに激化するおそれがある。この年末の総選挙を前に抗議活動がさらに活発になるおそれがあり、政府は、表現、結社、平和的な集会の自由、身の安全に対する権利の保護など、国際義務を遵守することが極めて重要である。

アムネスティ国際ニュース
2018年8月6日

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