南北アメリカ地域:環境問題での市民の権利を保障する画期的な条約 12カ国が署名

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2018年10月 3日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:南北アメリカ地域
トピック:

ラテンアメリカ、カリブ海地域の12カ国が9月27日、同地域の環境に関わる諸権利の確立をうたうエスカス条約に署名した。この署名は、環境に関わる人権への取り組みとして大きな前進である。同地域の他の国々にも、条約への早期の署名を求めたい。

署名の機会は、国連総会の開催に合わせて設けられたもので、アルゼンチン、アンティグア・バーブーダ、ブラジル、コスタリカ、エクアドル、グアテマラ、ガイアナ、メキシコ、パナマ、ペルー、セントルシア、ウルグアイの12カ国が参加した。ドミニカとハイチも署名を確約している。

エスカス条約は、同地域の人びとに対して、清潔で健康的な環境で暮らす権利を保障する画期的なもので、締約国に対して、重要な決定を下す際は多様な意見に耳を傾けることも義務付けている。

同条約は、今年3月コスタリカのサンホセ州エスカスで、同地域の24カ国によって採択された。1992年の地球サミット・リオ宣言の10原則を具現化したもので、環境問題に関わる情報の入手、市民の参加、司法手続きなどの諸権利を明示している。

また、国に対し加害者への法的措置などにより環境活動家を脅迫や暴力から保護する義務や、活動家の生命権、集会・運動・表現・結社の自由の権利を保障する義務などを課している。

同条約は、環境活動家の保護を定めたという点でも画期的で、世界のモデルにもなる。環境に関する人権侵害の加害者側の責任を問うまたとない機会だ。

今回の署名に参加しなかった他のラテンアメリカ・カリブ海諸国も、早急に12カ国に倣うべきだ。また、世界の他の地域も、この取り組みに学ぶべきだ。

条約の発効には署名につづき批准が必要で、今回の条約では、11カ国またはそれ以上の国の批准が、2020年9月27日まで求められている。

署名国は、早急にこれを批准し、条約の野心的な理念に沿った具体的な政策をとらなければならない。

※10月3日時点で、15カ国が署名しています。

アムネスティ国際ニュース
2018年9月27日