シンガポール:司法侮辱罪で活動家らに有罪

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2018年10月16日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:シンガポール
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シンガポールの裁判所は、ソーシャルメディアで裁判所を中傷したとして罪に問われていた人権活動家のジョロバン・ワムさんと野党議員のジョン・タンさんに、有罪判決を言い渡した。

4月下旬、ワムさんは「政治がらみの訴訟で、マレーシアの裁判所のほうが、シンガポールより独立性がある」などとする意見をフェイスブックに投稿にして、告発された。民主党議員のタンさんは、ワムさんの告発を受けて、「彼の発言が正しかったことを裏付けた」とフェイスブックに投稿していた。

5月上旬、2人は法廷侮辱罪で起訴された。

2人はいずれも、裁判所の独立性が不十分だと批判したに過ぎなかった。こうした批判こそ、表現の自由の権利である。

司法行政(保護)法が昨年に発効したが、アムネスティなどはこれまで、司法制度の保護という名目で、裁判や司法行政を批判する人たちが同法の適用を受け、処罰されるおそれがあると指摘し、懸念の声を上げていた。

同法が適用された初のケースとなる今回の判決は、その懸念が現実となったものだ。

裁判所は即刻、この有罪判決を破棄するべきである。

量刑は、別の日に言い渡されるが、日程は未定だ。司法侮辱罪には、最高3年の実刑と最高10万シンガポールドル(約820万円)の罰金、あるいはそのいずれかが科される。

アムネスティ国際ニュース
2018年10月9日

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