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ARCHIVE 2010

上映作品の画像
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2001年 米国 ドキュメンタリー 104分
監督:ジャスティーン・シャピロ/B.Z.ゴールドバーグ/カルロス・ボラド

1997年~2000年まで、パレスチナ自治区やヨルダン川西岸のユダヤ人入植地、 エルサレム近郊でのパレスチナ・イスラエル双方の子どもたち7人を取材したドキュメンタリー。 彼らはわずか20分という距離の中、それぞれ全く違う政治形態、社会環境、家庭環境の中で暮らしている。 生まれながらにしてイスラエル・パレスチナ問題に巻き込まれている7人がそれぞれに自分の物語や考えを語る。 後半部には、ユダヤ人の双子の兄弟がパレスチナ難民キャンプを訪れるという形で双方の子どもたちの交流が実現する。 そんなひと時の触れ合いがほんの少しの歩み寄りと相互理解につながっている。

監督プロフィール

ジャスティーン・シャピロ
南アフリカ生まれ、カリフォルニア育ち。冒険旅行シリーズ『ロンリープラネット』の制作に関与。 ロサンゼルスで演劇、映画、テレビなどに出演した。 これらの経験がドキュメンタリー制作へのインスピレーションになっている。

B.Z.ゴールドバーグ
ボストン生まれ、イスラエル育ち。ニューヨーク大学映像科に進み、 インティファーダ(パレスチナ住民による民衆蜂起)の際はエルサレムに戻り、 ロイター、BBC、NHKなどのテレビニュース番組制作に携わった。

カルロス・ボラド
メキシコ生まれ。1999年『時を超えて』で監督デビュー。 『赤い薔薇ソースの伝説』の編集、『アモーレス・ペロス』には「編集の医者」として関わった。

解説

エルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教という3つの宗教の聖地であり、 「エルサレムの旧市街とその城壁群」は所属する国のない唯一の世界遺産となっている。 また、エルサレムは西地区(イスラエル人地区)、東地区(パレスチナ人地区)、 旧市街地(キリスト教徒地区、イスラム教徒地区、ユダヤ教徒地区、アルメニア人地区)に分かれている。

イスラエル建国はユダヤ人の悲願だった。1948年、イスラエルが一方的に独立を宣言すると、 それに反発したアラブ国家との間で第1次中東戦争が勃発する。 その後4度の中東戦争が起きるがいずれもイスラエルが勝利し、 現在も土地を追われたパレスチナ人との間で紛争が続いている。

エジプト国境に近いガザ地区とヨルダン川西岸地区にあるパレスチナ自治区には、 イスラエル人入植地が建設されてきた。 この入植地の安全確保のためとして、イスラエルは2002年、分離壁の建設に着手する。 これに対しては翌年、安保理で非難決議が採択されている。 その後「違法にパレスチナ人の住宅が破壊され、 移動の自由が妨害されている」という国際司法裁判所による勧告が出され、 2004年には国連総会で非難決議が採択された(賛成150、反対6、棄権10)。 しかし、それでもイスラエルはいまだに建設を続けている。 一方、500カ所以上ある検問所はイスラエル人には支障がなくても、 パレスチナ人には通ることもままならない。 2000年以降、イスラエルによる封鎖政策が一層強化され、 パレスチナ人の通勤、通学、日常的な往来が厳しく制限されるだけでなく、 支援団体の移動や物資の運搬、救急車の通行まで妨げられており、 パレスチナ人の生活を一層圧迫するものとなっている。

そうした移動の自由に対する制限に加え、パレスチナ人に対する不公正な司法も問題である。 パレスチナ人活動家の裁判は公正な国際基準を満たしたものではなく、 パレスチナ自治区で拘束されたとしても、ほぼ全員がイスラエル国内の刑務所に移送されている。 これは被拘禁者を占領者の領土に移動させることを禁じる国際人道法に違反している上、 家族などとの面会を著しく妨げるものである。