カンボジア:強制立ち退きに抗議する女性活動家を救え!

プノンペンにあるボン・コック湖周辺では、開発事業のため、住民たちが強制的に立ち退かされました。しかし政府が用意した立ち退き先は、十分な設備がなく不衛生で、劣悪な暮らしを強いられています。女性たちが先頭に立って改善を求めていますが、当局は嫌がらせ的な逮捕を繰り返し、抗議行動を終息させようとしています。

【更新情報:2014.04.15】
4月11日、恩赦により逮捕、拘束されていた女性全員が釈放されました。よって、このアクションは終了いたします。ご協力をありがとうございました!



 

代替地の改善を求めて逮捕された女性たち

ボン・コック湖周辺では、2008年8月以来、約3,500世帯が強制的に立ち退きを迫られました。

強制立ち退きにあった家族たちは、代わりの土地を政府から提供されました。しかし、移転先はインフラが整っていない土地で、毎年雨季に洪水が発生し、家屋が浸水してしまいます。この洪水の問題を解決するよう、女性活動家たちは当局に要請していました。

女性たちの最高齢は78歳、多くは30代、40代です。家族のため、地域の子どもたちのために、居住権を守るよう平和的なデモを行い、各国大使館へ働きかけるなどして、カンボジア政府に改善を訴えています。

しかし、当局は2014年11月、平和的なデモを行っていた10人を交通法違反として逮捕しました。警官が彼女たちに暴行を働いたという報告もあります。彼女たちは、半年から最長2年半の刑と3万円から5万円の罰金刑の宣告を受け、現在プノンペン郊外の刑務所に収監されています。

■ 最高齢のニエット・クンさん(78歳)の場合
抗議行動をしている住民のなかで最高齢のクンさんは、2005年から湖の近くに住み、2007年から活動に加わりました。10人の家族と一緒に暮らす家が浸水した問題について、当局に何度も要請を行っていました。それまでは話し合いをしていたのにもかかわらず、突然、警官から殴られ、警察署に連行、逮捕されてしまいました。

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クンさんは、交通法違反で2年6カ月の服役と5万円相当の罰金が言い渡され、現在プノンペン郊外の刑務所にいます。

クンさんの代わりに、3人の子どもたちが活動に参加しており、そのうち1人がアムネスティに対し、今年1月に心境を明らかにしてくれました。

「母の逮捕は私たちの生活に大きな影響を与えました。私たちは仕事を休んで2週間に一度刑務所に面会に行きます。抗議活動は政府の妨害を受けています。いままでは居住権について活動してきたのに、今は活動家を釈放するように、と目的を変えなければならないのです。これがきっと政府の計画なのでしょう。もし、活動家が逮捕されたら、誰がみんなを守れますか?」

■ ヘン・ピックさんの場合(29歳)
ピックさんは、夫と4人の子どもといっしょに、1994年からボン・コック湖近くに住んでいました。ピックさんの逮捕によって、夫はそれまで勤めていた警備会社での仕事を減らして子どもの面倒を見なければならず、収入が激減しました。

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ピックさんは2009年から抗議行動に加わりました。逮捕された日は、夫と息子1人と一緒に他の活動家の支援のためにプノンペン地方裁判所に行っていました。

ピックさんが収監されている部屋は、60人から70人もの囚人が一緒に詰め込まれており、寝るための場所を見つけることすら難しいといいます。また、逮捕の2週間前に、ピックさんは流産しており、逮捕時も痛みと出血がありました。

ピックさんの夫はアムネスティの調査に対し、以下のように語りました。
「妻を失うのは、自分の手を失ったみたいです。私は仕事のシフトを変えたので、夜働くことができます。でも、子どもたちを夜おいて働きにいくのはあまり良くないと思っています。妻のことが本当に心配です。逮捕されたとき、警官から殴られたし、流産でとても弱っていました」



 

背景情報

カンボジアでは、1970年代のポルポト政権下で住民が強制的に地方へ移転させられました。その後、土地の国有化や所有権についての混乱が未解決のまま、復興のために首都プノンペンへ移り住む人びとが急増しました。

開発事業が進むなか、プノンペンにおける貧困層への強制立ち退きが2000年代から激増し、2007年以来、ボン・コック湖周辺では何千人もが家を追われ、強制的に立ち退きを迫られてきました。

移住させられる場所はインフラも整っていないような所で、土地の価格に見合った十分な補償金も受け取れません。住民たちが立ち退きを拒否すると、嫌がらせや、脅迫を受けました。

この間、女性活動家たちは、強制立ち退きに反対し、抗議行動を行ってきました。2012年5月、13人の女性活動家が、平和的な抗議に参加しただけで逮捕され、最長2年半の刑を下されました。彼女たちは控訴して執行猶予になったため、6月に釈放されました。

住民たちは、絶えず監視下に置かれ、嫌がらせや脅迫を受け、訴えられたりしています。

アクションに参加しよう!

ボン・コック湖の10人の女性活動家を今すぐ釈放するよう、カンボジア首相・司法大臣に要請してください!

アクション期間 このアクションは終了しました。(2015年3月6日~4月15日)
要請先 フン・セン首相、アン・ヴォンワッタナ司法大臣