日本:精神障がいや知的障がいを持つ人に対する死刑を止めて!

日本には、精神障がいや知的障がいを持つ死刑囚がいます。

死刑囚となれば、3畳少しの小さな部屋で、自由に動き回ることも禁じられ、いつ刑に処されるか分からない恐怖に怯える毎日を過ごします。罪を犯した者は、その罪に向き合い、被害者のことを思い反省する必要があります。しかし、刑の意味を理解できない人を処刑することが、果たして公正といえるのでしょうか。

アムネスティは、命を奪うのではなく、国による適切な治療が必要だと考えます。死刑執行ではなく、治療を求めて、法務大臣と厚生労働大臣へ要請してください!



 

松本健次さんの場合

松本健次さんの絵 jp_201508_03.jpg松本健次さんが描いた絵

死刑判決を受けて、大阪拘置所に収監されている松本健次さんは、精神障がいと知的障がいを持つ死刑囚の1人です。罪は、兄と行ったとされる2件の強盗殺人でした。

健次さんは、母親の胎内にいるときに水俣病にかかったために、手足に感覚障がいや軽度の知的障がいを持っています。熊本に生まれ育ち、中学卒業後、調理師や土木作業員として生計をたてていました。

兄はそんな健次さんに、犯行を手伝わせました。

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健次さんの兄は、子どものころから健次さんに対し暴力を使い、言うことを聞くように強要してきました。

はじめの事件が起きた年、金に困った兄は、従兄弟から不動産を奪おうと、健次さんを連れて従兄弟の家に行きました。健次さんは、兄の目的をよく理解できずに、従兄弟の殺人と不動産の売却に巻き込まれてしまいました。

その後、不動産の売却で得た金の大半をわずか1年で、兄は旅行や高級車の購入のため使い果たしてしまいました。

金に困った兄は次の事件を計画し、また不動産を奪ってお金を得ようと、姉の家の近所の女性を殺害することにしました。この時も、健次さんは兄が強要したために、現場まで行き、手伝いを命じられました。

事件が発覚した時には、兄は健次さんを警察に出頭させて、自ら命を絶ってしまいました。健次さんは主犯格とされ、1人ですべての責任を負わされ、死刑判決が言い渡されました。

弁護団によれば、健次さんは殺人の実行行為に関与していないにもかかわらず、健次さんが行ったものだと誘導的な取調べが行われたとのことです。

現在の健次さんは知的障がいだけでなく、長年にわたる狭い独房生活から拘禁症を患い、重い精神疾患を発症しかけていると診断されています。弁護人を含め、人とのコミュニケーションも大変厳しい状況になっています。

健次さんは、犯した罪に対しては、責任をもって償わなければなりません。しかし、本当に死刑以外に選択肢はないのでしょうか。

国際的な考え方

精神障がいや知的障がいがある人の場合、逮捕された時から判決が下されるまで、すべての段階において支援が必要なことがあります。

自分の行った犯罪自体の理解だけでなく、弁護人の法的助言も理解できなければ、公正な裁判を受けることは難しくなります。

また、精神障がいを持つ人の場合、治療を受けることで改善することもあります。司法制度のなかで、精神障がいの治療を受ける機会の確保が必要です。

1984年に国連経済社会理事会(ECOSOC)では、精神障がいや知的障がいを持つ死刑囚へのセーフガードとして、死刑判決が下されてはならないと勧告しました。また、1989年には、国連加盟国が精神障がいや知的障がいを持つ者に対する死刑廃止を勧告し、判決時でも処刑時でも精神障がいがある者に対して死刑の適用は避けなければならないと決議しました。

国連人権委員会も精神障がいや知的障がいを持つ者に対して死刑執行をすべきでないと勧告を出しました(2005/59)。

最近では、2014年12月18日に国連総会決議69/186でも、同様の決議が採択されています。

アクションに参加しよう!

精神障がいや知的障がいを持つ者に対し、死刑執行ではなく治療を求めて、法務大臣と厚生労働大臣へ要請してください!署名はアムネスティで取りまとめて、日本政府に送ります。

アクション期間 このアクションは終了しました。(2015年8月5日~10月13日)
要請先 法務大臣、厚生労働大臣