シリア:どれほど血を流せば、世界は助けてくれるのだろう?

虐殺が止まらない!

6月6日、シリア中部ハマ県の村でまた、女性や子どもを含む村人たちが数十人殺害されるというニュースが報道されました。

その数週間前の5月25日、シリア軍が同国西部のホウラ村を攻撃し、少なくとも108人を殺害しました。そのうちの50人は、年端もいかない幼い子どもたちでした。この虐殺事件は世界中に衝撃を与え、国連安全保障理事会はシリア政府を非難する声明を出しました。

平和的な抗議行動に対し、シリア政府が武力弾圧を始めて以来、シリアの状況は悪化し続けています。アムネスティはこれまでに、9750人もの死者の名前を確認しています。その中には、700人以上の子どもも含まれています。

そして今この瞬間にも、死者は増え続けています。

ロシアが動けば、状況が変わる

国連の常任理事国であるロシアは、コフィ・アナン国連・アラブ連盟特使が提案した「6項目の和平計画」の実施を求める安保理決議を支持しています。しかしその一方で、ロシアはシリア政権に対し武器を輸出し続けています。またロシアは、国連安保理で繰り返し拒否権を発動し、シリアにおける虐殺を止めるための決議案を妨害しています。

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世界から見捨てられた、シリアの人びと

action_syria_2012_02.jpgパンを手に、デモのスローガンを叫ぶ抗議者たち(2011年5月)

2011年3月に政治改革と大統領の退陣を求める非暴力の抗議行動が始まって以来、シリアでの犠牲者の数は増加の一途をたどっています。治安部隊と国軍による市民の殺害、拷問がシリア各地で広く、また組織的に行われています。

ほとんどの人権侵害は、政府の治安部隊によって引き起こされていますが、反政府勢力による誘拐や殺害なども報告されています。そしてつねに犠牲となるのは、武器を持たない、一般の市民です。アムネスティはこれまで、一万人近い死者の名前を記録しています。

どちら側であろうと、一般の市民への暴力は決して許されません。

国際社会は何をしているの?

action_syria_2012_03.jpg2012年2月、シリア軍の爆撃により破壊された住居。幼いわが子を抱えた母親は、バルコニーで立ち尽くしている

悪化するシリア情勢について、コフィ・アナン国連・アラブ連盟特使(前国連事務総長)は、和平計画を提案しました。和平計画は、すべての戦闘の停止、人道支援の確保、恣意的に拘束された人びとの釈放、報道関係者の移動の自由、結社や平和的にデモを行う権利の保障など、6項目からなっています。

3月29日、シリア政府はアナン特使の提案を受け入れ、4月には停戦協定が合意されました。しかし、それ以降も暴力は続いており、すでに1400人以上の死者が出ています。

アムネスティは、包括的な武器禁輸措置や大統領らの資産凍結についての安保理決議を繰り返し要請してきました。また、安保理がシリアの状況について、国際刑事裁判所(ICC)に付託し、シリアの人権状況を調査するよう訴えてきました。

しかし、ロシアや中国はシリアの状況についてICC付託に反対し、二度にわたって安保理決議の内容を弱めるという行動をとっています。この二国の姿勢が変わらないかぎり、虐殺を止めることが難しいのが現状です。

注:国際刑事裁判所
国際刑事裁判所(ICC)は、ジェノサイド(大量殺りく)や人道に対する罪など、国際法上もっとも重大な人権侵害の加害者を、国境を越えて裁くために設置された刑事裁判所です。

アクションに参加しよう!

シリアにおける虐殺が終わらせるためには、ロシアの協力が不可欠です。これ以上の命を犠牲にしないために、ロシア政府に行動を起こすよう、呼びかけてください。

アクション期間 アクション終了
配信先 ラヴロフ、セルゲイ・ヴィクトロヴィチ ロシア外務大臣